オンデッキとアンダーデッキはコンテナ庫内温度の違いに注意
オンデッキとはコンテナ船の甲板のうえのことで、アンダーデッキはその下の船倉のことです。コンテナを積載するとき、前者は甲板に積み上げていくので、いわゆる野ざらしの状態になりますが、後者は船内という違いがあります。
基本は選べない
海上輸送を行う場合にどちらに積載されるかは依頼者は選べません(よほどの大口の荷主か、その船社に対してコンテナスペースをおさえている力のあるフォワーダは別)。オンデッキは野ざらしとはいっても、国際規格の海上コンテナ自体が風雨に耐えうる構造になっているので、破損や劣化等がなくきちんとしたものであれば嵐にみまわれたところで中に浸水することはない構造です。
このため、貿易で輸入や輸出を行う荷主は自分の製品が入ったコンテナがオンデッキに積まれていようがアンダーデッキに入っていようがあまり気にする必要はありませんが、唯一の例外が温度です。
オンデッキの温度は想像以上
温調機能のついていないドライコンテナの場合、オンデッキに積んだコンテナの最上部の天板の温度は、50℃から70℃にも達します。これは雲一つない海上の炎天下で長時間輸送することをイメージすればわかりやすいかと思います。日中で日が照っていれば高温になりますが、反対に夜になると今度は温度が下がります。この温度差により結露が発生しやすい航路や地域もあります。
高温では品質劣化の懸念のある製品を運ぶ場合は、オンデッキの最上部に積まれる可能性もあることを想定しておく必要があります。このため、温度が品質上の影響に関与するのであればリーファーコンテナを使って、輸送期間中、コンテナ内の温度を設定した範囲に維持してくれるものを使うのも手です。
低温ではなくとも温度変化に敏感な物品を運ぶ場合、その航路で事前に輸送トライアルを行い(何か適当な物品を積載)、コンテナ内に温度や湿度が記録できるものを取り付けて輸送するという方法もあります。
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