仕切り価格と定価の違い
仕切り価格とはメーカーが販売先に対して設定する卸値のことで、定価とはメーカーが販売先に対してこの価格で売ってほしいと指定する販売価格や販売店が設定する売価のことです。販売店の目線では違いが大きければそれだけ利益も大きくなります。つまり、メーカーから仕切り価格で購入して、ユーザーに定価で売り、その差額が儲けということになります。
定価の場合、販売店や小売店はメーカーが提示した価格で販売する必要があり、独自に価格設定することができなくなります。現行の法令、独占禁止法ではこれは禁止されています。ただし本などは定価制度がありますし、一部品目によっては定価設定ができる例外もあります。
メーカー側の価格戦略としては、販売店同士が値下げ合算をして市場が荒れたり、値崩れを起こしたりしないよう統制する意図がありますが、ユーザー目線で見れば、自由な競争が阻害されますので不利益しかありません。また販売店も独自色を出しづらく、メーカーが圧倒的に優位な立場となってしまいます。
メーカー側が現行法令で指定できる定価に近い概念としては、希望小売価格というものがあります。定価ほどの拘束力はありませんが、メーカーの希望する定価という意味合いで使われますが、これと販売価格との差が大きいと、大きく値引きしているように見え、消費者にとってはまた別の不都合があります。
このため、昨今はオープン価格というものもよく使われます。これはメーカーが希望小売価格すら設定せず、仕切り価格だけを決めて、実際の販売価格となる定価は各販売店が自由に設定できるものです。
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