かんばんと現品票の違い
現品票とは、納入する製品または納品時の箱につけて物品の個数・製品名・製品番号・納入者・納入場所・注文番号などの基本情報がわかるようにしたもので、かんばんと違いがあるというよりは、「かんばん」も現品票の一種です。
自動車部品の場合、かんばんという表現はトヨタやトヨタ関連の深いメーカーで使われるものです。というのも同社の生産のかなめのひとつともいえるかんばん方式に由来する為で、たしかに同社のかんばんに独特の用語やレイアウトが使われますが、例えばこれがメーカーが変わり、三菱やマツダであればJJラベル(ジェージェーラベル)と呼ばれるものが現品票に相当します。
他の自動車メーカーも同様で、現品票は各社の発注システムからサプライヤーが注文ごとに印刷して納入する箱に差し込んだり貼り付けたりして使用します。例えば1つの注文が10箱相当なら、1箱ずつに現品票をつけて納入します。これを見れば、どの注文に対して何の部品が何個入っているかということがわかります。
JAMA(日本自動車工業会)やJAPIA(日本自動車部品工業会)が標準の現品票を公開していますが、構成としては、現行の大多数の自動車メーカーと共通するもので、部品メーカーが使用するエリア(サプライヤー)、自動車メーカー側が使用するエリア(発注者)、共通で利用するエリアで構成されており、サイズも一般的なリターナブルの通い箱につけても大きすぎず、小さすぎずといったサイズ感です。
今後、ペーパーレス化していく可能性もありますが、現状は大量の自動車部品がこうした現品票のつけられた通い箱で納入されており、この現品票の発行枚数にはすさまじいものがあります。現品票やかんばんにはリターナブル式、ワンウェイ式(使い捨て)の双方があります。
出荷する側や納入される側双方でバーコードも照合に使いますので、QRコードが使われており、そうした意味でもこの現物票をなくす、という場合、照合に使用する何らかの代替方法が必要です。
また現品票は、箱の中に何が入っているかを特定するとても重要な情報源でもあります。部品メーカーの多くは、こうした現品票、かんばん(社内用も含む)が箱から落ちてしまうと、現場では中身が何かを特定することができなくなります(大量の部品が多く、類似品もあるので)。したがって、製品保管時のラベルや名札としての役割も持つことになります。
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