密番の意味とは

2022年5月15日更新

密番(読み方:みつばん)とは製造番号のことを意味しています。製造密番ともいいます。英語ではserial number(S/N)またはmanufacturing number(M/N)、Lot numberと呼称されます。主として半導体や電子部品の業界の一部で使われる用語です。ここでいう製造番号とは、製造年月日や製造場所、製造ロットが特定できる番号を指しており、ロット番号と兼ねていることが大半です。

製品の種類や型式を識別するための製品番号や品番、型番とは異なり、あくまで製造履歴を追えるようにするためにつける番号です。なかには密番だけから製品が特定できる番号方式を採用していることもありますが、製造番号だけからはその製品が何かは分からない採番形式が多いかと思います。

原理的には、その製品の種類(型番)と密番が分かれば、どこの工場のどのラインでいつ作ったものか、それに使った部品や材料はどこからいつ購入したものか製造履歴・作業記録からトレースすることができるようになっています。製品種によっては、もう少し大まかな単位ということもありますが、メーカーには製造物責任がありますので、きちんとしたところであれば記録は一定期間保存されています。

この密番ですが、表示としては製品現物に刻印したり、印字したり、あるいは印字したシール状や銘板を張り付けるといった方法でつけられます。ポイントは現物につけるという点です。特殊な製品の場合は、現物につけることができないので、顧客への納入日や注文番号からトレースするようにしていることもあります。

現物につけることを考えると、番号として使える桁数が限られていることもあります。文字数をできるだけ短くするため、数字だけでなく、年月や日をアルファベットに変換したものを用いることもあります。あるいは、仕様書を取り交わしている取引先や自社内にだけ正確に分かるようにしたい場合もあり、その場合も固有の番号規則が決められます。

精密で小型な部品には記載できる欄が限られていたり、他の情報を記載せねばならないことから、なるべくこの手の番号は短くしたいというのが製造側の希望となりますが、番号を見た時にそれが何かわからないというのでも困るため、支障のない範囲での短縮形を考えて各社採番するというのが多いようです。

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