コバルト(元素記号 Co)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など

2012年8月30日更新

コバルトは遷移金属かつレアメタルの一つで、強磁性を持つことで知られます。

用途としては、コバルトブルーの名が示すように、鮮やかな青色の顔料や黄色、緑など化合する相手によっていくつもの色を出せます。

人工放射性元素であるコバルト60は、ジャガイモに照射することで発芽を抑制することでも知られます。

工業利用としては、鉄とコバルトの合金として、磁気ヘッドの材料として使われています。また近年は特に需要が伸びているリチウムイオン電池の電極材料に、コバルト酸リチウムとして使われています。

またダイヤモンドホイール等の砥石を製造する際にも、メタルボンドの場合は構成素材にコバルトを使うことが多いです。ただコバルト自体は微量に使うだけであっても高価なため、海外含め、これをカルボニル鉄などの代替品に変える動きもあります。

金属材料への添加元素としては、粘り強さ、靭性、耐熱性や耐食性の向上につながるものとして、他の元素と組み合わせて使われます。

なお、コバルトの埋蔵量の多い国としてはコンゴやオーストラリアですが、この金属はニッケルや銅の生産の副産物として生産されているため、供給は必然的にこれらと連動しています。

コバルト(元素記号 Co)が活用されている分野

  • 顔料、絵の具
  • シリカゲルの中の青い粒(塩化コバルトは水を吸うと青から赤に色が変わるため)
  • 合金材料(Fe-CO合金など)
  • 鉄鋼材料などへの添加元素
  • 磁石材料
  • リチウムイオン電池の電極
  • ハードディスクの磁気ヘッド
  • 高速度鋼(ハイスコー)へ添加
  • サマリウムコバルト磁石(サマコバ磁石)
  • アルニコ合金
コバルト(元素記号 Co)の特性、物性
分類 金属元素
電子配置 3d74s2
英語 Cobalt
原子量 63.55
同位体 59Co、60Co
融点 1495℃
沸点 2927℃
密度 8.90g/cm3
比重
硬度 モース硬度5
色、形状 銀白色
20℃、1atmでの状態 固体
線膨張率
(α/10-6K-1
100K:6.8
293K(20℃):13.0
500K:15.0
800K:15.2
コバルト(元素記号 Co)の電気抵抗(ρ/10-8Ω・m)
700℃ 48
300℃ 19.7
100℃ 9.5
0℃ 5.6
−195℃ 0.9
コバルト(元素記号 Co)の熱伝導率(W・m-1・K-1
700℃ 53
300℃ 69
100℃ 89
0℃ 105
-100℃ 130

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