炭素当量の計算式について

2011年3月8日更新

炭素以外の元素の影響力を炭素量に換算したものが炭素当量で、この計算式がよく使われるのは、鉄鋼材(鉄系の合金)についての溶接性と最大硬度の検討を付けることができるからです。鉄鋼材料は鉄以外の合金元素、マンガン、シリコン、ニッケル、クロム、モリブデン、バナジウムの添加量が多いと硬度が上昇する反面、溶接性が劣化するという特性があるため、これらの元素の影響力を炭素量に換算する必要があります。これらの元素によっても影響する度合いが違うため、下記の炭素当量の計算式の分母が違います。鉄鋼材料が成分と焼入れによって如何に性質が変化するかは、こちらの「加工材料の性質と特徴:鉄鋼材料」の各項目をご覧ください。

炭素当量は、鉄鋼材料の成分・鋼種が違うもの同士であっても比較することができる指標の一つです。引張強さに対する炭素当量、溶接部最高硬さに対する炭素当量などが使われます。溶接性についてはJISに下記の式で規定されています。

炭素当量%=C+(Mn/6)+(Si/24)+(Ni/40)+(Cr/5)+(Mo/4)+(V/14)

炭素当量の計算式

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