鉄鋼材料、鉄、炭素鋼、工具鋼の比重

2013年1月2日更新

炭素鋼や工具鋼といった鉄鋼系材料の比重は、鉄の成分に含まれている炭素量が多いほどに、小さくなっていく傾向があります。炭素(C)の含まれる量が多いものは、高炭素鋼ともいいますが、これらは低炭素鋼に比べて比重は低くなります。

また、炭素だけでなく、鉄(Fe)の成分に他の元素、例えばシリコンやクロム、アルミニウムなどが含まれる量が多くても比重は小さくなっていきます。反対に、タングステンなどの重い金属元素が含まれているものは、比重が重くなっていきます。このため、ハイス鋼は他の工具鋼や炭素鋼、合金鋼などに比べて比重が大きくなっています。

鉄鋼の比重の概算を炭素量から割り出すことも可能で、その場合は、下記の式を使います。

  • 比重=7.876−0.030×炭素(%)
鉄鋼材料の比重の一覧
鉄鋼の種類 比重
純鉄 7.876
炭素鋼(Cが0.1%:S10C相当) 7.873
炭素鋼(Cが0.2%:S20C相当) 7.870
炭素鋼(Cが0.4%:S40C相当) 7.864
工具鋼(Cが0.8%:SK材などの高炭素鋼) 7.852
SKD6(合金工具鋼) 7.79
SKH2(高速度鋼、ハイス鋼) 8.67
SKH9(高速度鋼、ハイス鋼) 8.16
FC、ねずみ鋳鉄 7.2〜7.3前後

スポンサーリンク

>このページ「鉄鋼材料、鉄、炭素鋼、工具鋼の比重」の先頭へ

このサイトについて

当サイトの記事はすべて工業製品のメーカーの実務経験者が執筆しています。

砥石メーカーの製品や技術を紹介するサイトとしてはじまりましたが、加工技術・工具・研削・研磨に関わる情報から派生し、ユーザーの問い合わせに応じて鉄鋼、非鉄、貴金属、セラミックス、プラスチック、ゴム、繊維、木材、石材等製造に使用する材料・ワークの基礎知識についても掲載するようになりました。その後、技術情報に限らず、製造業で各分野の職種・仕事を進めるうえで役立つノウハウも提供しています。

製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、経理、購買調達、資材、生産管理、在庫管理、物流など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

工業情報リンク集

工業分野のメーカーや商社を中心に、技術、規格、ものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業製品の生産に必要とされる加工技術や材料に関する知識、マーケティングから製品企画、開発、販売戦略、輸出入、物流、コスト低減、原価管理等、事業運営に必要な知識には共通項があります。

研磨、研削、砥石リンク集