鉄(元素記号 Fe)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など
鉄は工業材料として、また人体にも不可欠な元素であり、古代から知られ活用されてきた金属元素の代表格です。
純鉄として、あるいは鉄鋼材料として工業を支えてきた元素でもあります。鉄は錆びやすいとのイメージがあり、これに対し、ステンレスなどの錆びにくい鉄鋼材料があるわけですが、高純度の鉄は大気中ではほとんど錆びません。
鉄鋼を作るには、鉄鉱石だけでなく、石炭(コークスとして)、石灰石が必要となります。まずは鉄鉱石から高炉を用いて銑鉄を抽出することからはじまり(製銑)、ここで銑鉄が取り出され、続いて不純物を取り除く工程があり、成分の調整が行われます。
高炉から出した銑鉄は、炭素の量が多く、硬くて脆い、強度に欠ける状態になっています。ここから炭素量を実用的なレベルにまで落とすのと、他の元素を添加して硬さだけでなく、強度や粘りなどをの性質を付与していきます。
鉄は単体ではあまり多くの分野には使うことができませんが、鉄鋼(いわゆる鋼)にすることで、多様な産業、用途で使うことが出来る材料に生まれ変わります。
なお、日本は鉄鉱石そのものをオーストラリアから輸入することが多いですが、埋蔵量自体は、ロシアやウクライナ、中国、ブラジル、インドなどでも多いと言われています。
鉄(元素記号 Fe)が活用されている分野
- 体内の必須元素として
- 鉄鋼材料
- 合金材料
- 磁性材料
- 顔料
- ベンガラ
分類 | 金属元素 |
---|---|
電子配置 | 3d64s2 |
英語 | Iron |
原子量 | 55.85 |
同位体 | 54Fe、56Fe、57Fe、58Fe |
融点 | 1538℃ |
沸点 | 2862℃ |
密度 | 7.87g/cm3 |
比重 | |
硬度 | モース硬度4 |
色、形状 | 銀白色、灰色 |
20℃、1atmでの状態 | 固体 |
線膨張率 (α/10-6K-1) |
100K:5.6 293K(20℃):11.8 500K:14.4 800K:16.2 |
700℃ | 85.5 |
---|---|
300℃ | 31.5 |
100℃ | 14.7 |
0℃ | 8.9 |
−195℃ | 0.7 |
700℃ | 34 |
---|---|
300℃ | 56 |
100℃ | 72 |
0℃ | 83.5 |
-100℃ | 99 |
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