ねじの種類について
ねじの種類は、その分類の仕方によっても変わります。用途や機能で分類すれば、まずはおねじとめねじとに分けることが出来、それぞれに目的別に最適なねじがあるといえます。
規格上(単位上)の分類で言えば、メートルねじとインチねじ(ユニファイねじ)といった分け方も出来ますし、ISOネジという言い方にもあるように、どの規格に端を発するものなのかを強調する言い方もあります。
ねじは分け方により、以下のような分類が可能ですが、実際にはこれらの組み合わせによって目的とする「ねじ」を選ぶことになります。
ねじの規格による分類
JIS規格を中心に考えていくことになりますが、国際的な工業規格であるISOと内容のずれを無くしつつあるため、JIS独自の要素も附属書という形で残ってはいるものの、ほぼ同じものになりつつあります。規格により規定されているのは、ねじの製品としての寸法や公差などです。
ISO | ISOメートルねじ |
---|---|
ISOインチねじ |
基準寸法の規定のあるネジ規格(ベースとなる規格) | メートル並目ねじ(メートル細目ねじは廃止) |
---|---|
メートル台形ねじ | |
管用テーパねじ | |
管用平行ねじ | |
ユニファイ並目ねじ | |
ユニファイ細目ねじ | |
ミニチュアねじ |
タッピンねじ | ドリリングタッピンねじ |
---|---|
すりわり付きタッピンねじ | |
十字穴付きタッピンねじ | |
六角タッピンねじ | |
つば付き六角タッピンねじ | |
フランジ付き六角タッピンねじ | |
ヘクサロビュラ穴付きタッピンねじ | |
平座金組込みタッピンねじ | |
木ねじ | 十字穴付き木ねじ |
すりわり付き木ねじ | |
小ねじ | すりわり付き小ねじ |
ヘクサロビュラ穴付き小ねじ | |
十字穴付き小ねじ | |
精密機器用すりわり付き小ねじ | |
眼鏡枠用小ねじ及びナット | |
止めねじ | 六角穴付き止めねじ |
すりわり付き止めねじ | |
四角止めねじ | |
自転車ねじ | |
ボールねじ |
ねじの機能や用途による分類
ねじの種類は、大分類としてはまず、「おねじ」と「めねじ」の二種類があり、その中で細分していくことができます。めねじとセットで用いるものやおねじ単独で用いるものなどがあります。
おねじ | 小ネジ | すり割り付き小ネジ、十字穴付き小ネジ |
---|---|---|
ボルト | 六角ボルト、アイボルト、四角ボルト、アンカーボルト、溶接ボルト、座金組み込み六角ボルト、フランジ付き六角ボルトなど | |
タッピンねじ | 六角タッピンねじ、すり割り付きタッピンねじ、十字穴付きタッピンねじ | |
止めネジ | 六角穴付き止めねじ、四角止めねじ | |
木ねじ | 十字穴付き木ねじ、すりわり付き木ねじ | |
めねじ | ナット | 六角ナット、アイナット、四角ナット、座金組み込み六角ナット、フランジ付き六角ナット、溶接ナット、溝付き六角ナットなど。 |
ねじの材質による分類
ねじは欠かせない機械要素の一つですが、強度や信頼性が重要なことは言うまでもないと思います。用途や使用環境などに応じて様々なネジが実用化されていますが、材質によっても分類することは出来ます。最もポピュラーな材料は炭素鋼と合金鋼です。状況によって耐食性や耐熱性の付与、加工性や耐摩耗性、硬度、デザインなども検討され、材料が決められます。金属素材を使う場合は、熱処理の内容によっても性能が大きく変わるため、あわせて検討すべき項目といえます。なお、強度の規格は材質によって異なる場合があります(例:ボルト強度はステンレス鋼と炭素鋼とでは規格が違う)。
- 炭素鋼
- 合金鋼
- ステンレス鋼
- アルミニウム合金
- 銅合金
- 純銅
- チタン合金
- 純チタン
- マグネシウム合金
- 樹脂、プラスチック
- 強化プラスチック
- セラミックス
- 超硬
- ニッケル合金
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