パレットの荷崩れの原因とは
陸海空のいずれの輸送手段でもパレットの荷崩れは発生し、その都度原因を突き止めて再発を防止していく必要があります。不可抗力としか言いようのないものもあるので、それらは除外するとしても同一区間や同一パレット、同一梱包場所や同一納入先で何度も発生しているというような場合、何らかの人為的な要因が絡んでいる場合があり、貨物の損害が発生することが目に見えてますので出来る限りの対策を行っておく必要があります。以下、パレット荷崩れ防止策検討の一助になれば幸いです。
- パレットの荷崩れの原因とは|目次
輸送上の要因
急ブレーキ・急カーブでのスピードの出しすぎ等ドライバーの要因
輸送時に普段とは異なる衝撃が加わるとパレットが崩れる場合があります。通常はこうした衝撃も見込んでパレタイズの検討を行いますが、急ブレーキの場合、ストレッチ部分がゆがみ、コンテナへのバンニングが困難になるためパレタイズ自体やり直しとなる可能性があります。
普段依頼していないドライバーや輸送会社に変えたタイミングや大雨などの気象条件の悪い場合の輸送時には可能性として考慮必要があります。
パレタイズや積み付けに問題なく頻発するなら信頼できる輸送会社へ変える等の措置が必要です。
フォークリフトのオペレータによる要因
パレットを直接輸送するフォークリフトの操作によるミス等でも荷崩れは発生します。例えば、フォークリフトの重量上限を超えるパレットを運搬しようとして転倒する、あるいは2段積みのパレットを一度に運搬しようとしてバランスを崩すということのほか、フォークがパレットに接触してしまう、フォークの差し込みが浅すぎる、運転技術(旋回や速度)に問題がありパレットを落下させる、木材パレットや樹脂パレットの差し込み口にうまく入らずに接触し、パレットを破損させてしまうことで傾きを生じさせ荷崩れが起きる、などもあります。
破損したパレットの状態から推測するしかないことが多いため、自社管理の倉庫で発生している可能性があるなら、カメラや定点画像を取得するシステムなどの導入で対策につながることがあります。
積載時の要因
輸送手段となるトラック、船、航空機への積み込みあるいは積み下ろしの際に適切なハンドリングがなされていない
パレットを積むときに下段と上段がずれている状態や、そもそもパレットがフラットになっていないという場合、トラック内で荷崩れが発生する要因ともなります。
コンテナの荷崩れ事故も同様で、いずれの輸送モードでも輸送機器への取り付け方法にミスがある場合、大規模な荷崩れにつながることがあります。
コンテナのバンニング時の問題
コンテナ内にパレットを固縛する手段としてショアリングやラッシングがありますが、これらが適切になされていないと、コンテナの中でパレットが動きます。船便の場合、想定以上に揺れが大きいものになりますので、パレットのコンテナ内での固定手段がないと荷崩れの要因になります。
パレタイズの要因
ストレッチ(ラップ巻き)梱包がゆるい、パレットがツライチになっていない、PPバンドの固縛がゆるいといった問題のほか、箱の並べ方がきっちりしていない、著しく重量バランスの悪い(重たい箱が偏ってパレタイズされている)積み方も要因となります。また、輸送費削減のため、コーナーガードや天板を減らす場合は、これらのかわりに輸送品質を担保できるものを確認しておく必要があります。
ダンボールを置く前にパレットに破損がないかも確認必要です。木材パレットの場合、デッキボードがひとつでも割れてしまうと場所によっては段ボールがめり込んでしまい、パレット自体が傾いて崩れてしまいます。
カートンや荷姿の要因
パレットは最小単位となる箱を積み上げて作ります。この最小単位となる箱は、段ボールやリターナブル容器、プラスチック製の通い箱などが多いです。この最小単位となる箱への梱包仕様自体に問題があってパレットの荷崩れにまでつながることがあります。
充填率が高すぎて溢れている
箱内の充填率を上げてなるべく多くの製品を詰めるようにすれば輸送費が下がりますが、箱の上下や左右が完全にフラットにできることが前提条件としてあります。というのも、箱を組み合わせてパレットを作る際、詰めすぎで表面に凹凸がある場合、パレットの箱間に隙間ができてしまい、揺れに対して弱くなります。
箱自体の強度不足
箱同士を積み上げてパレットにし、さらにそのパレットを段積みするというのが一般的な輸送条件ですが、この際、箱の強度に対して重量が重すぎるという場合、1箱や1段がつぶれてしまうとパレットに傾きが生じて一気に荷崩れを引き起こすことがあります。箱自体がもともと弱いという場合や、箱の再利用をしている場合も強度は落ちてきます。また湿気や水濡れ、油漏れなどでもダンボール箱の場合強度が弱くなります。
重量バランス
箱内がスカスカで、かつ製品がそこそこ重たいというような場合、箱の中で輸送時に製品が動いて、パレットの重心に大きな偏りが生じる場合があります。この場合、他の条件との兼ね合いにもなりますが、パレットが支えられず荷崩れにつながることがあります。
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