ランニングチェンジの反対を意味する対義語は

2022年7月24日更新

自動車やその部品業界でのランニングチェンジとは、設計変更や工程変更を行った部品が無くなり次第、新しいものに切り替わっていくというスタイルの変更のことですが、この反対を意味する対義語は「決め打ち」となります。この辺り、会社により別の用語を使うこともあります。

ランニングチェンジの場合は、在庫が無くなり次第の切り替えとなるのに対し、決め打ちの場合はある特定の日時を指定し、その日から新しい部品を使った設計変更品に確実に切り替えるということを意味しています。

したがって、余った旧仕様の部品はその日から使えなくなりますので、納入もできず在庫が余っていた場合は廃棄となります。自動車メーカーと部品メーカーとの商慣習により、自動車メーカー側の要因で旧仕様を廃棄するような場合は、補償対応が行われることが一般的です。市場対応や不具合の修正など変更反映を急ぐ必要がある場合は、ランチェンではなくこうした決め打ちでの変更が選択されることが多いかと思います。

生産の観点から見ると、ランニングチェンジの場合は新しい部品にエフをつけて納入されるため、生産が連続して行われます。状況によっては同じ納入便に、設計変更前と設計変更後の新旧双方の部品が積載されて納入されることもあります。

一方で決め打ちにした場合はこれはありえず、ある日のオーダーがすべて設計変更後の品物に変わります。こちらもエフを付けて新規品であることを分かるようにしている点は変わりませんが、納入日自体が分けられており、客先側のラインでの混入を防ぎ、作り分ける意図のもと実施されるケースもあります。

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