インビテーションレターの英語での書き方
商談や会議などのため、外国籍をもつ顧客や調達先企業などを日本へ呼ぶ場合、国と滞在日数によっては査証(ビザ)が必要となります。この査証は、現地の日本大使館や日本領事館から発行してもらうことになりますが、このためには招聘(しょうへい)側、つまり呼ぶ側である日本からの書類がいくつか必要になります。
必要な書類はどの国の人を呼ぶのか、また目的、滞在日数によっても変わりますが、ケースとしては以下の3パターンがあります。
- 1.親族訪問
- 2.知人訪問、観光
- 3.ビジネス、商用
商用・ビジネスの場合では、ビザを取得する為に日本側で準備する書類は以下の通りです。
- 1.招聘理由書(招へい理由書)
- 2.滞在予定表
- 3.身元保証書
- 4.会社・団体概要説明書
これらの書類は日本語でも英語でもかまわないので、日本側で作成したら、現地へ郵送し(郵送する前にメールの添付ファイルなどで間違いがないか相手に見てもらうのもよいでしょう)、原紙を現地の渡航予定者(ビザ申請人)が現地の日本国大使館や領事館へ持参します。
上記の1にある招聘理由書はインビテーションレター、Invitation letterと言われることもありますが、このレターの中に、2や3を組み込んでしまうことも可能です。
この場合、日本側で準備する書類としてはインビテーションレターを1通作成するだけで事足りる場合もあります。
また、ビザを申請する日本への渡航予定者は、上記の1〜4の種類の他にパスポートを含め、以下の書類や証明書等を準備する必要があります。
- 旅券
- 査証申請書
- 写真
- 航空チケットや船便の予約確認書
- 在職証明書
- 渡航費用があることを証明する資料(銀行残高を示すものなど)
インビテーションレターの例文
この例文では、日本側で準備する書類をこのインビテーションレター1通ですませるパターンですが、場合によっては会社団体の概要を説明する文書や滞在スケジュールの提出も必要となることがあります。
なお、大使館が配布している招聘理由書、滞在予定表、身元保証書などを使う場合は、こちらの日本大使館のサイトから日本語のものと英語のものの双方がダウンロードできます。相手が日本語を読めないことも多いと思いますので、可能なら英語で書いてあげるのがよいでしょう。
タイトル
まずこれがInvitation Letterであることがわかるようにタイトルをつけます。
日付
書類の発行日は、3ヶ月以内のものという決まりがあるため、実際にビザを申請に行く日がずいぶんあとになる場合は、書類をあまり早く発行しすぎないように注意が必要です。
宛先
この例ではタイの大使館を例にしていますが、現地の日本大使館や領事館を宛先に書きます。
書き出し
通常の英文レターのような書式でよく、自分の会社が海外から呼び寄せたい人がいる旨記載し、以下に具体的な項目別に詳細を記載していきます。
招聘する人の名前
所属や社名も書くとよいでしょう。複数いる場合は、代表者だけでなく、すべて列挙します。
招聘目的
何のために呼び寄せたいのか、インビテーションレターの最も重要な部分でもある目的です。ここでは商談としていますが、技能向上や理解増進のための研修や工場見学、展示会などを記載します。
今回の招聘の背景
この部分はなくともよいこともありますが、現在外務省が配布している申請用紙の場合、この項目が招聘理由書のなかにありますので、記載しておくと良いでしょう。
ビザ申請人と招聘人との関係
今回呼び寄せたい人との関係を記載します。ここではビジネス用と想定しているため、具体的にどういう取引関係・利害関係なのかわかるように書くとよいでしょう。
余談ですが、以前に筆者が工具をパキスタンに販売した際、購入してくれたパキスタン人がさらに他の製品も見たいので日本にきたいと打診してきたことがあります。このとき、インビテーションレターを書き、相手に送ったあと、現地の日本大使館から問い合わせがきたことがあります。本当にインビテーションレターの通り招聘したいのかどうか、当該人との取引履歴などについての質問があり、きちんと確認の電話がありました。
当時はなぜここまでと思ったものですが、実際に蓋を開けてみれば、そのパキスタン人は約束の日に姿を見せず、予約していたホテルもすべてキャンセル料を支払った覚えがあり、あまりよく知らない相手にインビテーションレターを発行すべきではないと思い知りました。
その後、当人が実際に日本に来たのかどうかもわかりませんが、こうした手口で日本へ入国し、そのまま不法滞在するケースもあると聞きました。
滞在期間
短期滞在の場合、滞在期間の上限が国ごとに決まっているため、それを超えないようにする必要があります。
日本での滞在先や連絡先
ホテルなどの手配も日本側で行う場合が多いと思いますが、あらかじめ予約したホテルの住所や連絡先などを記入しておきます。
身元保証人
このインビテーションレターでは、最後の部分で、身元保証を行う旨の項目を入れてあります。滞在費や帰国旅費、日本国内での法令遵守などについての監督し、招聘人が其の行動に責任を持つことが書かれています。会社で呼ぶ場合は、役職のある人がサインしたほうがよいでしょう。
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