英語でのレターヘッドのテンプレートとサンプル

2018年2月12日更新

英語でのレターヘッドとは、用紙の上部に所属する組織名称やロゴ、住所、連絡先が記載された部分のことを意味します。日本ではあまり馴染みがなく、メールが主流となっている昨今では、FAXや英文レター、書面の形にした連絡文書や通知文書、公用の手紙などでしか見ることがありませんが、英語圏では公式の文書にはレターヘッドは必要となりますので、忘れずにつけるようにしたいところです。

ビジネスでは2種類の英語のレターヘッドがある

組織や会社からの公式文書であることを証明するレターヘッドと用紙

このレターヘッドには、二つの種類があり、ひとつは会社としての公式文書であることを証明するレターヘッドで、これは通常、法務部門や総務部門が管理しており、使う際には社内申請し、誰がいつどこへ発信するかの記録を取っていることもあります。というのも、この種のレターヘッドは、日本でいうところの「社印」を押してある文書と同じような効力があります。「内容証明」郵便にも若干似ているかもしれません。

多くは使用する際にも管理している部門からレターヘッドを印刷してある用紙をもらって、そこへ内容を手書きやタイプして発信するという形をとります。発信先の国の法令で、文書を証明する際にレターヘッドが必要なケースでは、こうした「公式の」レターヘッドが印刷されたものを使う必要があります。偽造防止の印刷技法が施されていることもあり、単なるプリンターで出力したものやコピーしたものとは異なるレターヘッドです。こうしたことから、社印などを管理するのと同じような方法で管理している会社が多いです。公式のレターヘッドは、ウォーターマークと呼ばれる「透かし」の入った用紙に、印刷会社で刷られているものがよく使われます。こうした事情のため、レターヘッドとその用紙は往々にしてセットで管理します。公式レターヘッドを印字してある用紙というのは、その会社固有の透かしを入れることもよくあります。

諸外国では文書の効力を持たせるために印鑑のかわりにサイン、署名をすれば十分ではと思われるかもしれませんが、文書の種類によっては、サインだけでは足りず、公式のレターヘッドがついた文書であることが求められます。

プリンターで出力する普段使いのレターヘッド|貿易や輸出等で使うレターヘッド

もう一方のレターヘッドは、会社のロゴなどは使われているものの、電子的に簡単にコピーして利用する、いわば普段使いのレターヘッドです。こちらも自分の会社が発行する文書であることを示すことは間違いないのですが、法令に基づいた証明用途ではなく、普段の社外文書ではこちらの使用が主流となります。

たとえば、貿易で必須となるインボイスやパッキングリストは書類の発行件数が多く、通常はこちらのレターヘッドがついたものを使います。また、法令での証明とまで必要がないようなケースでは、一般には、会社で使っているワードなどの文書作成ソフトでレターヘッドも、ヘッダー部分に打ち込んで利用します。

あるいは、展示会の開催の案内やセールスレター、新商品の案内などもこうした簡易的なレターヘッドが主流で、英文レターのほとんどが実際にはこうした普段使いのレターヘッドというのがビジネスの現場では一般的です。

レターヘッドの用途

レターヘッドをつけるひとつの意味は、私信と区別し、組織として発信しているものであることを明確にするという意図がありますので、同じ組織から発信される文書には、本来同じレターヘッドを使うべきです。もっとも、社外に発信することを意図した社外文書であっても、レターヘッドを使わずに、ヘッダー部分にてそれに相当する内容を右端に寄せて記載する方法もあります。簡易的なものや内容によっては、こちらでも十分といえますが、ややフォーマルさを欠いた簡易的な印象を与えることになります。

なお、社内文書には発信者の所属部署、氏名、内線、emailなどの記載があれば、通常、簡易的なもので問題ありません。こうしたものはレターヘッドとはいわず、単にヘッダーという場合が多いです。

公式のレターヘッドと輸出時の貿易書類等に使うレターヘッドはデザインは同じでも、使う用紙や印字方法が異なるということになります。

昨今は、レターヘッドのデザインを手がける印刷所もありますし、こうしたレターヘッドのデザインをやってくれるデザイナーもいます。こだわりがあったり、CI(コーポレートアイデンティティ)に力を入れている会社は、統一的な運用をしていることが多いです。こうした場合は、ロゴの使い方や配置、使用してよいフォントの種類やサイズにも制約がかけてあることが多いため、自分で作ってしまってもよいか、まずは自社の総務や法務、広報などに確認するとよいかもしれません。

レターヘッドのフォーマットと作り方

レターヘッドの基本的なフォーマットは、以下で述べていくとおり、社名と住所、連絡先、ロゴとなります。配置や並べ方は一定のパターンがありますが、他社が採用していない奇抜なレイアウトやデザインを使って違いを出している会社もあります。

前述の通り、公式証明用途のレターヘッドであれば、プリンターで普通のA4用紙で作るわけにはいかないため、印刷会社やデザイン会社に依頼することになりますが、普段の通信や輸出書類をはじめとする貿易に使う書類のレター等であれば、会社内で一定のルールを決めてWordやExcelなどで作成していけばよいでしょう。

レターヘッドに記載しなければならない「要件」

日付、宛名や発信者の氏名そのものは、レターヘッドの下のレターの中に記載しますので、通常レターヘッド本体には以下を記載します。なお、英文社名が決まっていない場合の英語表記は、こちらの記事もご参考までに。

  • 会社名
  • 住所
  • 連絡先(電話、FAX、emailなどですがないものもあります)
  • ロゴ(公的証明用でなければなくても)

レターヘッドはロゴの位置とフォント、配置のデザインで独自性を出す

レターヘッドに社名ロゴを使う場合、位置に迷うところですが、多いのは上部、センター、左部に寄せる、右部に寄せるという4パターンです。上部に単独で使うと、文書のヘッダー部分の行数を食ってしまうというデメリットがありますが、格調の高さや会社ロゴをもっとも目立つ位置に配置できます。コーポレートアイデンティティやブランドイメージを大切にされたい場合は一考の価値があります。

一方、貿易書類など形式的なものに多用するケースでは、ロゴなしの場合や、ロゴは寄せて単独で行を消費しないようなレイアウトや配置がよく見られます。

フォントについては、ロゴと並んでかなり重要な要素で、CIなどで自社の英語表記に使ってよいフォントが決まっているのであればそれを使うまでですが、ない場合は、会社内に一定のルールや指針を作っておいたほうがよいでしょう。社名表記もロゴの一部として使う場合もあります。ただ、下記のサンプルをご覧になるとわかるかと思いますが、住所や連絡先にまで凝った筆記体や変わったフォントを使うと、可読性が落ちますので、貿易書類は複数の業者でコピーされて使ったり、条件のよくないFAXで送受信されることもあることを考えると、文字がつぶれにくく見やすいもので、特定のアルファベットが混同されにくいフォントを選ぶとよいでしょう。

レターヘッドのテンプレートとサンプル

以下に、レターヘッドとして使われるオーソドックスなレイアウトのサンプルを挙げます。

レターヘッドのサンプル|ロゴなし、右寄せ

ロゴを使わず、英文レターへそのままベタ打ちして使うパターンです。以下のサンプルでは、日付と宛名まで書いていますが、レターヘッドの本体は日付の上部の部分です。フォントも本文と同じCenturyに統一しています。ロゴなしのバージョンとしては、個人的にはもっともよく目にするタイプのレターヘッドです。このタイプのものは、単にヘッダーと呼んで、ロゴがあるレターヘッドと区別することもあります。公的証明用途ではなく、ワードなどで使う簡易的な使用方法であれば、いずれも効力に差異はありません。

レターヘッドのサンプル1

レターヘッドのサンプル|ロゴなし、左寄せ

上記のものをそのまま左寄せにしたもので、こちらもロゴがないシンプルなものです。

レターヘッドのサンプル2

レターヘッドのサンプル|ロゴ中心配置、ヘッダーのセンター配置

欧米企業では割とよく見ます。センターの中心部やその最上部にまずは会社のロゴを持ってくるパターンで、住所・連絡先を示す部分もすべて中央に寄せたタイプです。フォントの種類や大きさで格調高い印象にすることもできます。ロゴの大きさにもよりますが、用紙の上部を少し多めに使用するため、1枚に収める必要がある文書で内容が盛りだくさんの場合は使い方に工夫が要ります。

レターヘッドのサンプル3

レターヘッドのサンプル|ロゴ、ヘッダーの左寄せ

ロゴとヘッダーを併記し、両方とも左側へ寄せるパターンです。社名や住所が長いような場合でも違和感がありません。

レターヘッドのサンプル4

レターヘッドのサンプル|ロゴ左寄せ、ヘッダーの右寄せ

ロゴのみを左に寄せて、ヘッダーを右寄せにしたレターヘッドです。併記型としては、バランスの取れたレイアウトになります。

レターヘッドのサンプル5

レターヘッドのサンプル|ロゴなし、社名強調型

諸外国の企業で、インボイスをはじめとする貿易書類でよく見られるタイプです。社名が大きく強調されているもので、ロゴ自体も小さく表示されていることもありますが、文書の上部を最小限で済ませようとするレイアウトです。

レターヘッドのサンプル6

レターヘッドのサンプル|ロゴ上部配置、フォントにカリグラフィ使用

こちらもロゴを中心部に持ってきたレターヘッドで、住所や連絡先を複数行に改行してセンタリングしています。フォントに筆記体を用いていますが、住所や連絡先まであまり凝ったものにしてしまうと読みづらくなることがあります。格調高い雰囲気を出せるレターヘッドですが、社名に使うフォントについては統一したほうがよいため、本格的なものにするのであればどのようなカリグラフィにするのかデザイナーと相談するとよいでしょう。なお、会社のフォントというのは、ロゴのように統一して使う企業が多いため、レターヘッドだけこのフォント、会社案内やカタログなどだけ別のフォントというのはちぐはぐな印象を与えてしまいます。

レターヘッドのサンプル7

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