英文社名は大文字と小文字のどちらがいいのか
東南アジアや東アジア圏をはじめとする地域のインボイス等の貿易書類等では大文字の社名をよく見ますが、欧米圏、特に英語が母語かそれに近いような位置付けの国では、あまり大文字で書かれた社名は見ません。
ロゴや自社の頭文字だけをとったブランドネームなどでは見ることがあるものの、英語圏の人にとってはすべて大文字というのは奇異に映るようです。
対して、日本の会社名を英文社名で表記するときは、なぜかすべてを大文字にした(all capsと表現されます)社名をよく見ます。
古いコンピュータやシステム、タイプライター時代の名残り、通信文書や貿易書類での文字を見やすくするため、文脈から独立して見えるので社名であることがすぐにわかるように、という説もありますが、日本人があまり大文字や小文字に対するニュアンスにこだわらなかった(もしくは英語圏のような認識がなかった)というのが大きな理由のひとつに思えます。
もともと、すべてを大文字にすると、叫んでいる、大声で怒鳴っている、シャウトしているといったニュアンスがあるため、かなり強調したい場合以外ではあまり使いません。英語圏では小文字のほうが見てくれがよい、と感じる人も多く、社名の場合は最初の一文字であるキャピタルレターは大文字にするものの、以下は小文字という場合が最も多いです。
特にこだわりがない、というのであればすべて大文字というのは少々特異な社名表記であると認識を持ったほうがよいかもしれません。
もっとも、通常のやり取りで大文字か小文字かで特に不都合があるわけでもありませんが、例えば貿易書類に使う場合はすべて大文字にしている、という具合に統一して使っているのであれば、用途別に明確に使い分けるのもひとつの方法かと思います。
なお、契約書などの正式書面には、同じ表記を用いたほうがよいと思いますので、自社における英文社名の「正式表記」については、どの部分を大文字にしてよいのか、あらかじめ決めておいたほうがよいでしょう。
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