欠量完納を英語で言うと
欠量完納の意味するところは、本来の注文数に足りない数しか納入していないのですが、それをもって注文に対する納入を完了したとみなす、という生産管理分野の用語です。これを英語で説明すると、order quantity completed with actual quantity producedとなります。直訳すれば、実際に生産した数量で受注(納入)数量を完了させる、との意味です。日本語では欠完、ケツカンとも略されます。
例えば顧客から100個の注文をもらっているにも関わらず、98個しか良品生産できず納入できなかった、この98個を納入すればこの注文に応えたことになる、という意味合いです。もちろん、代金は98個分のみの請求にはなりますが、この手法が使われるのは生産ロットや材料調達、歩留まり(不良率)の問題で100個きっちりの生産・納入にあわせるとコストや納期に大きな問題が発生する場合です。
この事例でいえば、100個の注文に対して98個の良品を出荷できる状態になったものの、不足している2個を生産しようとすると、生産ロットの関係で最低100個新たに生産せねばならず、加えて材料の調達が難しくなっており、納期も半年近くかかる、しかも材料のロットも3000個と大きくなっており、顧客からも今回のオーダーの次はいつ発注となるかはわからない、ひょっとしたら発注がないかもしれないというような状況の時に、顧客と交渉して欠量完納にさせてもらえないか、という動きをとることがあります。
顧客側も注残扱いで、注文したものが未納の状態にて半年も残ると管理が面倒となりますので、いったんできる数だけ購入する、という発想が受け入れられる場合にとられる方法です。とはいえ、100個でなければ意味がないような場合、これをもって失注になることもあるでしょうし、逆に継続した取引契約で納入数を定めている場合、供給義務が本来あるのになぜ98個しかできないのか、というトラブルにもなりかねません。
売り手(作り手)と買い手の関係でいえば、作り手の視点での都合による納入となりますが、実務ではよく使われる方法の一つではあります。
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