IF鋼とは|IF鋼の特徴と成分

2016年11月7日更新

IF鋼とは、Interstitial Free鋼の略で、炭素量が10ppm以下という極低炭素鋼です。成分としては、チタンとニオブを添加することで炭素を吐き出して無害化させたものです。

炭素量を下げれば鉄はやわらかくなります。ただ、冷延加工時に鉄と炭素が結びついてセメンタイトがあると軟らかさの実現が困難となります。これにチタン、ニオブを添加すると、これらは炭素と結びつきやすく、炭素を無害化することができるという仕組みです。

なぜここまでやわらかい鋼板をつくる必要があるのかといえば、自動車の場合、深絞り用鋼板を作る、つまりr値の高い鋼板をつくることが目標とされてきた為です。自動車のさまざまなデザインを可能とするには、この深絞り加工を量産で効率よく行えることが必須となります。IF鋼は自動車鋼板の開発によって誕生した鋼板のひとつと言えます。

一般的な鋼板加工の例で見ますと、冷間圧延後の鋼板は加工硬化もあり、とにかく硬くなっているため、これを絞りで効率よく加工できるようにしていくには焼鈍工程が必須となります。

これには工数、つまりコストがかかってくるわけですが、極限まで炭素や不純物を除去する等成分調整された鋼板であるIF鋼を使うことで、これらにかかる工数や時間を減らすことができるというわけです。

IF鋼がr値の高い鋼板であり、深絞りに特に向いている素材であることは述べましたが、通常の低炭素鋼との違いは、ニオブとチタンの存在にあります。この元素によって鋼板内の炭素が固定されているため、時効劣化がおきないという点も大きな特徴のひとつです。

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