MC11、ZC63A(マグネシウム合金鋳物)の物性、成分、組成、機械的性質、硬度|マグネシウム合金鋳物の種類、特性や用途
MC11はJISでのマグネシウム合金の鋳造品で、ZC63AがASTM(米国)での規格名称となっており、後者の方が知名度があるかもしれません。MC10ときわめて似た物性、特徴をもつグレードで、鋳造もしやすい材料です。
ISOではMgZn6Cu3Mnとして規定されています。用途にはシリンダブロック、オイルパンなどがあります。JISでの種別は鋳物11種となります。
MC11、ZC63Aの成分、組成
RE※はRare earthの略でイットリウムを除く希土類元素となります。
マグネシウム合金鋳物 | 化学成分 | |||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Mg | Al | Zn | Zr | Mn | RE※ | Y | Ag | Si | Cu | Ni | Fe | その他 | ||||||
MC11、ZC63A | 残部 | − | 5.5から6.5 | − | 0.25から0.75 | − | − | − | 0.20以下 | 2.4から3.0 | 0.01以下 | 0.05以下 | 0.01以下 |
MC11、ZC63Aの引張強さ、耐力、伸び、硬度、熱処理、溶体化処理|機械的性質
マグネシウム合金鋳物 | 熱処理、調質の内容 | 記号、質別記号、調質記号 | 引張試験 | 硬度 ブリネル硬さ HBW |
溶体化処理 | 時効硬化処理 | |||||
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引張強さ N/mm2 |
耐力 N/mm2 |
伸び % |
温度 ±6℃ |
最高温度 ℃ |
時間 h |
温度 ±6℃ |
時間 h |
||||
MC11、ZC63A | 溶体化処理後時効硬化処理 | MC11-T6 | 195以上 | 125以上 | 2以上 | 55から65 | 439 | 445 | 4から8 | 200 | 16 |
MC11、ZC63Aの熱伝導率、電気伝導率、熱膨張係数、比熱、比重、密度
熱による影響や電気特性をより詳細に見ていくと以下の通りとなります。
マグネシウム合金の種類 | MC11、ZC63A |
---|---|
液相線温度(℃) | 635 |
固相線温度(℃) | 465 |
凝固温度範囲(℃) | − |
溶融潜熱(kJ/kg・K) | − |
比熱(kJ/kg・K)(室温) | 0.960 |
熱伝導率(W/m・K)(20℃、砂型) | T6: 122 |
電気伝導度(20℃、%IACS) | - |
熱膨張係数(μm/m・K)(20℃〜100℃) | 27 |
比重、密度(g/cm3)(20℃) | 1.87 |
縦弾性係数(kN/mm2)(20℃) | 45 |
横弾性係数(kN/mm2)(20℃) | - |
鍛造温度(℃) 砂型 金型 |
- |
「JIS H 5203 マグネシウム合金鋳物」に規定のある材料記号
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