MC14、EQ21A(マグネシウム合金鋳物)の物性、成分、組成、機械的性質、硬度|マグネシウム合金鋳物の種類、特性や用途

2013年8月22日更新

MC14はマグネシウム合金の鋳造品材料のうち、JISで規定された材料の一つです。EQ21Aとも呼称され、こちらはASTM規格における同等材料となります。ISOではMgRE2Ag1Zrが相当する合金となります。

銀と希土類元素、ジルコニウムを含有するQE系(Mg-Zr-希土類元素-Agの合金)のマグネシウム合金で、高温強度に優れる点や強度、靭性に長けている点が特徴です。ギヤボックス、耐熱用鋳物、耐圧鋳物ハウジングの用途が知られています。

MC14、EQ21Aの成分、組成

RE※はRare earthの略でイットリウムを除く希土類元素となります。MC14、EQ21Aの場合は、質量分率で1.5から2.0%のNd(ネオジム)を含み、その他、重希土類を含むという規定となっています。

MC14、EQ21Aの成分、組成
マグネシウム合金鋳物 化学成分
Mg Al Zn Zr Mn RE※ Y Ag Si Cu Ni Fe その他
MC14、EQ21A 残部 0.2以下 0.40から1.0 0.15以下 1.5から3.0 1.3から1.7 0.01以下 0.05から0.10 0.01以下 0.01以下 0.01以下

MC14、EQ21Aの引張強さ、耐力、伸び、硬度、熱処理、溶体化処理|機械的性質

MC14、EQ21Aの機械的性質
マグネシウム合金鋳物 熱処理、調質の内容 記号、質別記号、調質記号 引張試験 硬度
ブリネル硬さ
HBW
溶体化処理 時効硬化処理
引張強さ
N/mm2
耐力
N/mm2
伸び
温度
±6℃
最高温度
時間
h
温度
±6℃
時間
h
MC14、EQ21A 溶体化処理後時効硬化処理 MC14-T6 240以上 175以上 2以上 70から90 527 535 4から8 250 16

MC14、EQ21Aの熱伝導率、電気伝導率、熱膨張係数、比熱、比重、密度

熱による影響や電気特性をより詳細に見ていくと以下の通りとなります。

MC14、EQ21Aの熱的特性、電気特定、弾性係数など
マグネシウム合金の種類 MC14、EQ21A
液相線温度(℃) -
固相線温度(℃) -
凝固温度範囲(℃) -
溶融潜熱(kJ/kg・K) -
比熱(kJ/kg・K)(室温) -
熱伝導率(W/m・K)(20℃、砂型) -
電気伝導度(20℃、%IACS) -
熱膨張係数(μm/m・K)(20℃〜100℃) -
比重、密度(g/cm3)(20℃) -
縦弾性係数(kN/mm2)(20℃) -
横弾性係数(kN/mm2)(20℃) -
鍛造温度(℃)
砂型
金型
-

「JIS H 5203 マグネシウム合金鋳物」に規定のある材料記号

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