MC13、WE54A(マグネシウム合金鋳物)の物性、成分、組成、機械的性質、硬度|マグネシウム合金鋳物の種類、特性や用途
MC13はマグネシウム合金の鋳物の一つで、WE54A(ASTM規格)ともいいます。ISOではMgY5RE4Zrがこれに相当する材料となります。14種類存在するマグネシウム合金の中では高温強度に最も優れるグレードとなります
。このため、レーシング部品に使われ、例えばシリンダブロックやヘッド・バルブカバーとしても用いられます。合金の系統は、WE系(Mg-Y-希土類元素の合金)となります。
MC13、WE54Aの成分、組成
RE※はRare earthの略でイットリウムを除く希土類元素となります。MC13、WE54Aの場合は、質量分率で1.5から2.0%のNd(ネオジム)を含み、その他、重希土類を含むという規定となっています。またこの材料におけるリチウム(Li)の含有量は0.2%以下となります。
マグネシウム合金鋳物 | 化学成分 | |||||||||||||||||
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Mg | Al | Zn | Zr | Mn | RE※ | Y | Ag | Si | Cu | Ni | Fe | その他 | ||||||
MC13、WE54A | 残部 | − | 0.2以下 | 0.40から1.0 | 0.03以下 | 1.5から4.0 | 4.75から5.5 | − | 0.01以下 | 0.03以下 | 0.005以下 | 0.01以下 | 0.01以下 |
MC13、WE54Aの引張強さ、耐力、伸び、硬度、熱処理、溶体化処理|機械的性質
マグネシウム合金鋳物 | 熱処理、調質の内容 | 記号、質別記号、調質記号 | 引張試験 | 硬度 ブリネル硬さ HBW |
溶体化処理 | 時効硬化処理 | |||||
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引張強さ N/mm2 |
耐力 N/mm2 |
伸び % |
温度 ±6℃ |
最高温度 ℃ |
時間 h |
温度 ±6℃ |
時間 h |
||||
MC13、WE54A | 溶体化処理後時効硬化処理 | MC13-T6 | 250以上 | 170以上 | 2以上 | 80から90 | 527 | 535 | 4から8 | 250 | 16 |
MC13、WE54Aの熱伝導率、電気伝導率、熱膨張係数、比熱、比重、密度
熱による影響や電気特性をより詳細に見ていくと以下の通りとなります。
マグネシウム合金の種類 | MC13、WE54A |
---|---|
液相線温度(℃) | 640 |
固相線温度(℃) | 550 |
凝固温度範囲(℃) | - |
溶融潜熱(kJ/kg・K) | - |
比熱(kJ/kg・K)(室温) | - |
熱伝導率(W/m・K)(20℃、砂型) | T6: 52 |
電気伝導度(20℃、%IACS) | - |
熱膨張係数(μm/m・K)(20℃〜100℃) | - |
比重、密度(g/cm3)(20℃) | 1.85 |
縦弾性係数(kN/mm2)(20℃) | 44.4 |
横弾性係数(kN/mm2)(20℃) | - |
鍛造温度(℃) 砂型 金型 |
750から820 |
「JIS H 5203 マグネシウム合金鋳物」に規定のある材料記号
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