MC12、WE43A(マグネシウム合金鋳物)の物性、成分、組成、機械的性質、硬度|マグネシウム合金鋳物の種類、特性や用途
MC12はマグネシウム合金の鋳造品のうち、JISで規定された材料の一つです。ASTMでは、WE43Aとして知られます。マグネシウム合金としては、WE系(Mg-Y-希土類元素の合金)となり、レアアースとイットリウムを合金元素として持ちます。ISOではMgY4RE3Zrが相当する合金となります。
特性としては、200℃以上の環境でも使うことが出来、高温環境に長時間放置しても強度の低下がしにくいグレードです。用途としては、航空宇宙用の部品、ヘリコプター用のトランスミッション等があります。JISではマグネシウム合金鋳物12種に分類されています。
MC12、WE43Aの成分、組成
RE※はRare earthの略でイットリウムを除く希土類元素となります。MC12、WE43Aの場合は、質量分率で2.0から2.5%のNd(ネオジム)を含み、その他、重希土類を含むという規定となっています。MC12の場合、リチウムの含有量は0.2%以下に定められています。
マグネシウム合金鋳物 | 化学成分 | |||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Mg | Al | Zn | Zr | Mn | RE※ | Y | Ag | Si | Cu | Ni | Fe | その他 | ||||||
MC12、WE43A | 残部 | − | 0.2以下 | 0.40から1.00 | 0.15以下 | 2.4から4.4 | 3.7から4.3 | − | 0.01以下 | 0.03以下 | 0.005以下 | 0.01以下 | 0.01以下 |
MC12、WE43Aの引張強さ、耐力、伸び、硬度、熱処理、溶体化処理|機械的性質
マグネシウム合金鋳物 | 熱処理、調質の内容 | 記号、質別記号、調質記号 | 引張試験 | 硬度 ブリネル硬さ HBW |
溶体化処理 | 時効硬化処理 | |||||
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引張強さ N/mm2 |
耐力 N/mm2 |
伸び % |
温度 ±6℃ |
最高温度 ℃ |
時間 h |
温度 ±6℃ |
時間 h |
||||
MC12、WE43A | 溶体化処理後時効硬化処理 | MC12-T6 | 220以上 | 170以上 | 2以上 | 75から90 | 527 | 535 | 4から8 | 250 | 16 |
MC12、WE43Aの熱伝導率、電気伝導率、熱膨張係数、比熱、比重、密度
熱による影響や電気特性をより詳細に見ていくと以下の通りとなります。
マグネシウム合金の種類 | MC12、WE43A |
---|---|
液相線温度(℃) | 640 |
固相線温度(℃) | 550 |
凝固温度範囲(℃) | - |
溶融潜熱(kJ/kg・K) | - |
比熱(kJ/kg・K)(室温) | 0.966 |
熱伝導率(W/m・K)(20℃、砂型) | T6: 51.3 |
電気伝導度(20℃、%IACS) | - |
熱膨張係数(μm/m・K)(20℃〜100℃) | - |
比重、密度(g/cm3)(20℃) | 1.84 |
縦弾性係数(kN/mm2)(20℃) | 44.2 |
横弾性係数(kN/mm2)(20℃) | - |
鍛造温度(℃) 砂型 金型 |
750から820 |
「JIS H 5203 マグネシウム合金鋳物」に規定のある材料記号
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