TC6400の成分、引張強さ、耐力、伸び、機械的性質、耐食性|チタン鋳物の特徴と規格

2014年4月7日更新

TAC6400はチタン合金のうち、JISで言う60種の鋳物材料です。鋳造しているため、鋳物固有の特性もあり、鋳物としては品質が均一であること、割れや傷、鋳巣(いす)などの欠陥がないことが条件となりますが、基本的な性質は鍛造や展伸材のそれと似通っています。

チタンの60種は、α−β合金でもあるため、耐食性に優れるα合金と、強度に優れるβ合金の双方の特徴を受け継いでおり、延性、靭性、加工性、溶接性、強度の面でのバランスの良さを持ち味とします。

このため、その60種の鋳物材料あるTAC6400も高強度のうえ、耐食性が高い合金となっています。用途は、強度が高いこともあり、構造部材が多く、例えば化学工業、機械工業、輸送機器。高圧反応槽装置、高圧輸送装置、レジャー用品等での利用が考えられます。

TAC6400の成分、材質

TAC6400の成分、材質(単位:%)
種類 H O N Fe C Pd Al V Ti その他の元素
個々 合計
TAC6400(60種) 0.015以下 0.25以下 0.05以下 0.40以下 0.10以下 - 5.50から6.75 3.50から4.50 残部 0.1以下 0.4以下

TAC6400(60種)の機械的性質|引張強さ、耐力、降伏点、伸び、硬度

TAC6400(60種)の機械的性質
種類 引張強さ(N/mm2 耐力(N/mm2 伸び(%) 硬さ(HBW10/3000またはHV30)
TAC6400(60種) 895以上 825以上 6以上 365以下

JIS規格に定められている純チタン、チタン合金の種類

チタンの鋳物

チタンの展伸材

展伸材とは、スポンジチタン、チタンインゴットを経て、板材、条材、シームレスパイプ、管、棒材、線材などに加工された状態のチタン材料のことです。チタンの材料記号には下記のような法則があります。

TP 板、熱間圧延は末尾にH、冷間圧延は末尾にCがつきます。例:チタン1種の熱間圧延板はTP270H
TR
TTP、TAT、TATP 継目無管(シームレスパイプ、シームレス管)
TTH、TATH 熱交換器用チタン、熱交換器用チタン合金管
TB、TAB
TW、TAW

チタン合金別の特性

チタンの鍛造品

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