A5182とは|JIS規格材の特徴と物性

2021年7月11日 2024年2月24日更新

A5182はJIS規格に定められたアルミ合金のうち、A5083材と同程度の強度をもつ材料です。JISではA5182Pの板材のみ規定されています。特に飲料缶の蓋材(フタ)として使われることで知られます。5000系の合金の中では、最高クラスの強度を持つ材料です。ただMgを多く含む強度に優れたアルミ合金は応力腐食割れの危険性も孕みます。構造材として使う場合は、O材(焼きなましをすることで完全再結晶し、最も軟らかい状態になったものを言います)で用いられます。

A5182の成分

5000番台の番号が付いているアルミ合金は、マグネシウムを主要添加物質としたAl-Mg系の合金です。

A5182(アルミニウム)の成分
合金番号 Si Fe Cu Mn Mg Cr Zn Ga, V, Ni, B, Zr等 Ti その他 Al
個々 合計
A5182 0.20以下 0.35以下 0.15以下 0.20から0.50 4.0から5.0 0.10以下 0.25以下 - 0.10以下 0.05以下 0.15以下 残部

A5182の機械的性質(耐力、引張強さ、伸び、曲げ)

A5182の機械的性質
アルミ材料記号 調質 引張強さ(N/mm2 耐力(N/mm2 伸び率(板1.6mm厚) 伸び率(棒φ12.7mm) ブリネル硬さ(10/500) せん断強さ(N/mm2 疲れ強さ(N/mm2 縦弾性係数(×1000)(N/mm2
A5182 O 295 150 21 - - - - -
A5182 H34 335 235 18 - - - - -
A5182 H38 390 315 9 - - - - -

A5182の形状記号

JIS規格ではA5182の形状は、下表の通り板、条、円板の1種類のみ規定があります。

A5182の形状記号の一覧
形状記号 意味 英語
A5182P 板、条、円板 Plate

A5182の相当材

JIS規格以外でのA5182Pの相当品については、下表の通りになります。ISOとENは化学成分だけでなく機械的性質の規定があります。なお、ENはBS EN、DIN EN、NF ENとなります。

A5182の相当材の一覧
規格の種類 材料記号
AA -
ASTM -
EN EN AW-A5182
ISO -

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