SN400Cの材質、強度、降伏強度、引張強度|材質や機械的性質の規格
SN400Cは建築用の鋼材のうち、主要部分への使用が想定されているもので、さらに厚み方向の特性、強度について仕様上保証されている鋼材です。これら厚み方向特性は、耐ラメラテア性能とも言います。鋼板にパイプなどを溶接し、このパイプが強く引っ張られることで、鋼板に亀裂発生してしまうのは、十分な耐ラメラテア性能がないからでもあります。この厚み方向の強度については、通常の鋼材ではカバーしていません。このSN規格にある鋼材の中でも末尾にCのついているC種は、より安定した品質の溶接組立材となる素材です。
SN400Cの成分、材質
鉄鋼材の種類 | 厚さ | C | Si | Mn | P | S |
---|---|---|---|---|---|---|
SN400C | 16mm以上50mm以下 | 0.20以下 | 0.35以下 | 0.60から1.50 | 0.020以下 | 0.008以下 |
50mmを超え100mm以下 | 0.22以下 |
SN400Cの機械的性質
SN材の種類 | 鋼材の厚さ (mm) |
降伏点、耐力 N/mm2 |
引張強さ N/mm2 |
降伏比 (%) |
---|---|---|---|---|
SN400C | 6以上12未満 | 該当なし | 400以上510以下 | 該当なし |
12以上16未満 | 該当なし | 該当なし | ||
16 | 235以上355以下 | 80以下 | ||
16を超え40以下 | 235以上355以下 | 80以下 | ||
40を超え100以下 | 215以上335以下 | 80以下 |
SN400Cの伸び
鋼材の種類 | 鋼材の厚さ | ||
---|---|---|---|
6以上16以下 1A号試験片 |
16を超え50以下 1A号試験片 |
40を超え100以下 4号試験片 |
|
SN400C | 18以上 | 22以上 | 24以上 |
SN400Cの耐衝撃性、シャルピー吸収エネルギー
試験温度が0℃の場合で、シャルピー吸収エネルギー(J)は27以上と規定されています。試験片とその採取方向についてはVノッチ、圧延方向となります。
「JIS G 3136 建築構造用圧延鋼材」に規定のある材料記号
スポンサーリンク
>このページ「SN400Cの材質、強度、降伏強度、引張強度|材質や機械的性質の規格」の先頭へ
- 加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る
- SN材の一覧へ
- 一般構造用圧延鋼材(SS材)
- 溶接構造用圧延鋼材(SM材)の用途、機械的性質、成分の一覧
- 低降伏比高張力鋼とは
- 低降伏比のメリット、降伏比とは
- STK鋼管(一般構造用炭素鋼鋼管)の種類|規格、材質、寸法表
- STKM、機械構造用炭素鋼鋼管の規格と寸法公差、種類と比重について
- 冷間加工と熱間加工の違い
- 冷間鍛造と熱間鍛造の違い
- 金属の低温脆性
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、鋳鉄、超硬の熱膨張係数
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 鉄鋼材料、鉄、炭素鋼、工具鋼の比重
- 鉄鋼、炭素鋼、鋳鉄、純鉄、ステンレスの熱伝導率
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、ハイスの比熱
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレスの電気抵抗
- 金属単体の比重、密度の一覧表
- 金属の融点、沸点の一覧表
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 金属材料の硬度の一覧と比較
- 合金元素の果たす役割