SD295Aの規格|JISによる鉄筋の強度、引張強度、降伏点、重量、成分
SD295Aは鉄筋として一般的なグレードですが、高層ビルなどの建築物や大型の土木工事など高強度用途にはあまり向きません。また、降伏点は最小値のみ設定されていてその範囲が不明の為、建築用途や構造物に使う場合、崩壊メカニズムの計算がしにくいグレードです。
また、このグレードには成分値に炭素量が規定されていませんので、炭素当量により溶接性を見ることができません。ただし、引張強さについては範囲化されています。棒の表層にリブを設けた異形棒鋼型のものとしては、唯一、降伏点の範囲が定められていないタイプとなります。
ただし、汎用性の高さや流通性のよさから鉄筋としてはSD295Aはよく見る部類です。他に末尾の記号が異なるSD295Bというグレードもあり、こちらには降伏点の範囲設定があるため、似てはいますが、明確に違うスペックを持つ鋼材です。
SD295Aの比重
比重については規格内に規定がありませんが、重量の計算に用いられている値は7.85となっています。
SD295Aの成分、材質
鉄鋼の種類 | C | Si | Mn | P | S | C+Mn/6 |
---|---|---|---|---|---|---|
SD295A | - | - | - | 0.050以下 | 0.050以下 | - |
SD295Aの機械的性質|降伏点、耐力、引張強さ、伸び、曲げ性
鉄鋼の種類 | 降伏点、耐力 N/mm2 |
引張強さ N/mm2 |
引張試験片の種類 | 伸び % |
曲げ角度 | 曲げ性を見る際の内側半径 |
---|---|---|---|---|---|---|
SD295A | 295以上 | 440から600 | 2号に準じるもの | 16以上 | 180° | 呼び名D16以下の場合:公称直径の1.5倍 |
14A号に準じるもの | 17以上 | 呼び名D16を超える場合:公称直径の2倍 |
SD295Aの重量とサイズ
呼び名 | 公称直径(d)mm | 公称周長(l)cm | 公称断面積(S)cm2 | 重量(単位質量)kg/m | 節の平均間隔の最大値、mm | 節の高さ | 節の隙間の合計の最大値(mm) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最小値(mm) | 最大値(mm) | |||||||
D4 | 4.23 | 1.3 | 0.1405 | 0.110 | 3.0 | 0.2 | 0.4 | 3.3 |
D5 | 5.29 | 1.7 | 0.2198 | 0.173 | 3.7 | 0.2 | 0.4 | 4.3 |
D6 | 6.35 | 2.0 | 0.3167 | 0.249 | 4.4 | 0.3 | 0.6 | 5.0 |
D8 | 7.94 | 2.5 | 0.4951 | 0.389 | 5.6 | 0.3 | 0.6 | 6.3 |
D10 | 9.53 | 3.0 | 0.7133 | 0.560 | 6.7 | 0.4 | 0.8 | 7.5 |
D13 | 12.7 | 4.0 | 1.267 | 0.995 | 8.9 | 0.5 | 1.0 | 10.0 |
D16 | 15.9 | 5.0 | 1.986 | 1.56 | 11.1 | 0.7 | 1.4 | 12.5 |
D19 | 19.1 | 6.0 | 2.865 | 2.25 | 13.4 | 1.0 | 2.0 | 15.0 |
D22 | 22.2 | 7.0 | 3.871 | 3.04 | 15.5 | 1.1 | 2.2 | 17.5 |
D25 | 25.4 | 8.0 | 5.067 | 3.98 | 17.8 | 1.3 | 2.6 | 20.0 |
D29 | 28.6 | 9.0 | 6.424 | 5.04 | 20.0 | 1.4 | 2.8 | 22.5 |
D32 | 31.8 | 10.0 | 7.942 | 6.23 | 22.3 | 1.6 | 3.2 | 25.0 |
D35 | 34.9 | 11.0 | 9.566 | 7.51 | 24.4 | 1.7 | 3.4 | 27.5 |
D38 | 38.1 | 12.0 | 11.40 | 8.95 | 26.7 | 1.9 | 3.8 | 30.0 |
D41 | 41.3 | 13.0 | 13.40 | 10.5 | 28.9 | 2.1 | 4.2 | 32.5 |
D51 | 50.8 | 16.0 | 20.27 | 15.9 | 35.6 | 2.5 | 5.0 | 40.0 |
「JIS G 3112 鉄筋コンクリート用棒鋼」に規定のある材料記号
スポンサーリンク
>このページ「SD295Aの規格|JISによる鉄筋の強度、引張強度、降伏点、重量、成分」の先頭へ
- 加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る
- 鉄筋の種類と一覧
- 一般構造用圧延鋼材(SS材)の特徴
- 建築構造用圧延鋼材(SN材)の特徴と規格、成分など
- SNR鋼材、建築構造用圧延棒鋼の規格|アンカーボルトに使われるSNR
- 機械構造用炭素鋼鋼管(STKM材)の規格と寸法公差、種類と比重について
- 一般構造用炭素鋼鋼管(STK鋼管)の種類|規格、材質、寸法表
- 炭素鋼と合金鋼の違いと使い分け
- 軟鋼
- 低降伏比高張力鋼とは
- 低降伏比のメリット、降伏比とは
- 金属の疲労強度、耐疲労性
- 金属の靱性、ねばり強さ(靭り強さ、粘り強さ)
- 鉄鋼材料、鉄、炭素鋼、工具鋼の比重
- 金属単体の比重、密度の一覧表
- 金属の融点、沸点の一覧表
- 金属材料の硬度の一覧と比較
- 合金元素の果たす役割