SD490の規格|JISによる鉄筋の強度、引張強度、降伏点、重量、成分
SD490はJIS規格で定められた鉄筋コンクリート用の「鉄筋」としては最も強いものになります。
建築や土木分野では鉄筋の主筋部分に対する強度要求も上がっており、高強度が前提となるような建築や構造物では降伏点(耐力)の最低値が490MPaに設定されている本材料を用いることになります。
降伏強度のパラメータには下限と上限に幅がありますが、高強度が求められるものほどこの幅も狭める必要があります。また、ビルなどの高層建築や大型の建物や構造物になると、太さについてもそれなりのものが求められるため、D35以上がよく用いられます。
コンクリートそのものを補強する鉄筋のほか、構造物を固定させるためのアンカーボルトとしても使われることがある素材です。強度が強いこともあり、一般的な建築物としてはあまり見ることがないかもしれません。
SD490の比重
比重については規格内に規定がありませんが、重量の計算に用いられている値は7.85となっています。
SD490の成分、材質
鉄鋼の種類 | C | Si | Mn | P | S | C+Mn/6 |
---|---|---|---|---|---|---|
SD490 | 0.32以下 | 0.55以下 | 1.80以下 | 0.040以下 | 0.040以下 | 0.60以下 |
SD490の機械的性質|降伏点、耐力、引張強さ、伸び、曲げ性
鉄鋼の種類 | 降伏点、耐力 N/mm2 |
引張強さ N/mm2 |
引張試験片の種類 | 伸び % |
曲げ角度 | 曲げ性を見る際の内側半径 |
---|---|---|---|---|---|---|
SD490 | 490から625 | 620以上 | 2号に準じるもの | 12以上 | 90° | 呼び名D25以下の場合:公称直径の2.5倍 |
14A号に準じるもの | 13以上 | 呼び名D25を超える場合:公称直径の3倍 |
SD490の重量とサイズ
呼び名 | 公称直径(d)mm | 公称周長(l)cm | 公称断面積(S)cm2 | 重量(単位質量)kg/m | 節の平均間隔の最大値、mm | 節の高さ | 節の隙間の合計の最大値(mm) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最小値(mm) | 最大値(mm) | |||||||
D4 | 4.23 | 1.3 | 0.1405 | 0.110 | 3.0 | 0.2 | 0.4 | 3.3 |
D5 | 5.29 | 1.7 | 0.2198 | 0.173 | 3.7 | 0.2 | 0.4 | 4.3 |
D6 | 6.35 | 2.0 | 0.3167 | 0.249 | 4.4 | 0.3 | 0.6 | 5.0 |
D8 | 7.94 | 2.5 | 0.4951 | 0.389 | 5.6 | 0.3 | 0.6 | 6.3 |
D10 | 9.53 | 3.0 | 0.7133 | 0.560 | 6.7 | 0.4 | 0.8 | 7.5 |
D13 | 12.7 | 4.0 | 1.267 | 0.995 | 8.9 | 0.5 | 1.0 | 10.0 |
D16 | 15.9 | 5.0 | 1.986 | 1.56 | 11.1 | 0.7 | 1.4 | 12.5 |
D19 | 19.1 | 6.0 | 2.865 | 2.25 | 13.4 | 1.0 | 2.0 | 15.0 |
D22 | 22.2 | 7.0 | 3.871 | 3.04 | 15.5 | 1.1 | 2.2 | 17.5 |
D25 | 25.4 | 8.0 | 5.067 | 3.98 | 17.8 | 1.3 | 2.6 | 20.0 |
D29 | 28.6 | 9.0 | 6.424 | 5.04 | 20.0 | 1.4 | 2.8 | 22.5 |
D32 | 31.8 | 10.0 | 7.942 | 6.23 | 22.3 | 1.6 | 3.2 | 25.0 |
D35 | 34.9 | 11.0 | 9.566 | 7.51 | 24.4 | 1.7 | 3.4 | 27.5 |
D38 | 38.1 | 12.0 | 11.40 | 8.95 | 26.7 | 1.9 | 3.8 | 30.0 |
D41 | 41.3 | 13.0 | 13.40 | 10.5 | 28.9 | 2.1 | 4.2 | 32.5 |
D51 | 50.8 | 16.0 | 20.27 | 15.9 | 35.6 | 2.5 | 5.0 | 40.0 |
「JIS G 3112 鉄筋コンクリート用棒鋼」に規定のある材料記号
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