STKM19Cの規格と機械的性質、成分、引張強度、降伏点
STKM19Cは機械的性質としては14Cと同等の規格値となっている高マンガン鋼の鋼管で、同種の鋼材を使った管としては最も高い引張強度と降伏点をもつ高降伏比型の材料です。
STKM19Cの成分
鋼管の記号 | C(炭素) | Si(シリコン) | Mn(マンガン) | P(リン) | S(硫黄) | Nb(ニオブ) もしくはV(バナジウム) |
---|---|---|---|---|---|---|
STKM19C | 0.25以下 | 0.55以下 | 1.50以下 | 0.040以下 | 0.040以下 | − |
STKM19Cの機械的性質|引張強さ、降伏点、耐力、伸び、扁平性、曲げ性
鋼管の種類、記号 | 引張強さ(N/mm2) | 降伏点、耐力(N/mm2) | 伸び(%) | 扁平性 | 曲げ性 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
11号試験片、12号試験片、管軸方向 | 5号試験片、管軸直角方向 | 平板間の距離(H) | 曲げ角度 | 内側半径 | |||
STKM19C | 550以上 | 410以上 | 15以上 | 10以上 | − | − | − |
STKM19Cの伸び
鋼管の記号 | 試験片 | 鋼管の厚さ区分による伸びの最小値(%) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1mm以下 | 1mmを超え2mm以下 | 2mmを超え3mm以下 | 3mmを超え4mm以下 | 4mmを超え5mm以下 | 5mmを超え6mm以下 | 6mmを超え7mm以下 | 7mmを超え8mm未満 | ||
STKM19C | 5号試験片 | - | 1 | 2 | 4 | 6 | 7 | 8 | 10 |
12号試験片 | 4 | 6 | 8 | 9 | 10 | 12 | 14 | 15 |
STKM19Cの比重について
比重は7.85が基本値となります。
STKM19Cの寸法許容差(外径)
長さの許容差には原則として+50mm、-0mmとなっており、外径については下表の通りです。
区分 | 鋼管の外径サイズ(mm) | 外径の許容差(mm) |
---|---|---|
1号(熱間仕上継目無鋼管が該当) | 50未満 | ±0.5 |
50以上 | ±1% | |
2号 | 50未満 | ±0.25 |
50以上 | ±0.5% | |
3号 | 25未満 | ±0.12 |
25以上40未満 | ±0.15 | |
40以上50未満 | ±0.18 | |
50以上60未満 | ±0.20 | |
60以上70未満 | ±0.23 | |
70以上80未満 | ±0.25 | |
80以上90未満 | ±0.30 | |
90以上100未満 | ±0.40 | |
100以上 | ±0.50% |
寸法公差としてどの号を使うかは、受渡しの当事者間にて取り決めることになっています。
「JIS G 3445 機械構造用炭素鋼鋼管」に規定のある材料記号
スポンサーリンク
>このページ「STKM19Cの規格と機械的性質、成分、引張強度、降伏点」の先頭へ
- 加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る
- SPFH材、自動車用加工性熱間圧延高張力鋼板の機械的性質、特徴
- 鋼、鉄、鋳鉄はそれぞれ何が違うか
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、鋳鉄、超硬の熱膨張係数
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 鉄鋼材料、鉄、炭素鋼、工具鋼の比重
- 鉄鋼、炭素鋼、鋳鉄、純鉄、ステンレスの熱伝導率
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、ハイスの比熱
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレスの電気抵抗
- 金属単体の比重、密度の一覧表
- 金属の融点、沸点の一覧表
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 金属材料の硬度の一覧と比較
- 鉄鋼材料の種類
- 炭素鋼と合金鋼の違いと使い分け
- 合金元素の果たす役割
- 鉄鋼、炭素鋼、合金鋼の焼入れ深さ
- 焼入れ性とは