SWM-Aの規格|SWM-Aの強度 線径、成分、比重など
SWM-Aは普通鉄線に熱処理を施してやわらかくした「なまし鉄線」の規格線であり、別名、番線とも呼ばれます。線径の範囲は、0.10mm以上18.0mm以下で、一般用や金網用として定義されています。
実用上は、梱包の際に箱を縛ったり、固定したりするような結束線としての使い方や建築現場などで足場となる丸太を組んでいく際に、なまし鉄線で結束するといった使い方が知られています。
素材としては軟鋼線材を用いており、これを冷間加工した後、軟化のための焼きなまし(熱処理)を行った線材となります。断面形状は円形をしています。
なまし鉄線については、ねじり特性について規定されており、規格で定められた回数まで回転させても切れないことが求められます。機械的強度と同様に、線径が太くなればなるほど、破断するまでのねじり回数は小さくなります。引張強度については、直径寸法が1.80mmからの適用となります。
なお、焼きなましを経る為、表面にはスケール(黒皮)が出てしまいますが、これについては外観規定の適用外となっています。
SWM-Aの成分
軟鋼線材であるSWRM材を材料として用いている為、成分についてはこれに準じたものとなりますが、鉄線そのものには成分規定がありません。普通鉄線には、SWRM6やSWRM8が材料としてはよく使われており、これを焼きなましたものがSWM-Aとなるので、これらに準じた値となることが予想されます。
SWM-Aの比重
普通鉄線に焼きなましを行っているものとなりますが、熱間圧延鋼材がベースになっている為、他の鉄鋼系材料と比重については大きく変わらず、7.8前後になるものと推定されます。
SWM-Aの線径
鉄線の線径については規格により定められています。
SWM-Aの強度、機械的性質について
線径(直径) 【mm】 |
SWM-A | |
---|---|---|
引張強さ N/mm2 |
ねじり特性(単位:回数) | |
0.10以上1.30未満 | - | - |
1.30以上1.80未満 | - | - |
1.80 | 260から590 | 61 |
2.00 | 55 | |
2.30 | 48 | |
2.60 | 42 | |
2.90 | 36 | |
3.20 | 33 | |
3.50 | 30 | |
4.00 | 27 | |
4.50 | 24 | |
5.00 | 22 | |
5.50 | 20 | |
6.00 | 17 | |
6.50 | 14 | |
7.00 | 14 | |
7.50 | 11 | |
7.50を超え16.00以下 | − | |
16.00を超え18.00以下 | − |
「JIS G 3532 鉄線」に規定のある材料記号
スポンサーリンク
>このページ「SWM-Aの規格|SWM-Aの強度 線径、成分、比重など」の先頭へ
- 加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る
- 鉄線の規格|鉄線の一覧へ戻る
- SWCH(冷間圧造用炭素鋼線)の材質、機械的性質、成分について
- 軟鋼線材の規格|SWRM材の成分・材質、特性について
- 硬鋼線(SW-A、SW-B、SW-C)、硬鋼線材(SWRH材)
- ピアノ線(SWP-A、SWP-B、SWP-V)とピアノ線材(SWRS材)
- 炭素鋼と合金鋼の違いと使い分け
- 軟鋼
- 金属の疲労強度、耐疲労性
- 金属の靱性、ねばり強さ(靭り強さ、粘り強さ)
- 冷間加工と熱間加工の違い
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、鋳鉄、超硬の熱膨張係数
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 鉄鋼材料、鉄、炭素鋼、工具鋼の比重
- 鉄鋼、炭素鋼、鋳鉄、純鉄、ステンレスの熱伝導率
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、ハイスの比熱
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレスの電気抵抗
- 金属単体の比重、密度の一覧表
- 金属の融点、沸点の一覧表
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 金属材料の硬度の一覧と比較
- 合金元素の果たす役割