SWM-Nの規格|SWM-Nの強度 線径、成分、比重など
SWM-NはJISにおける鉄線の規格材料の一つで、くぎ用鉄線として定義された材料です。軟鋼線材(SWRMからはじまる材料記号がついています)と呼ばれる、低炭素の軟鋼を原料としており、伸びや延性に優れた素材を冷間加工して得られたのがこの規格線となります。
釘の材料としては、SWM-N以外にも普通鉄線であるSWM-Bも使われますので、これのみが釘に適していると言うわけでもありませんが、釘用のほうが高い品質を持ちます。釘の規格では、鉄線として釘の素材として使ってよいのは、このくぎ用鉄線か、これと同等のスペックを持つ鉄線との文言があります。この線径の寸法については、1.50mm以上6.65mm以下になります。
釘の製造用として使われることを想定した鉄鋼線材であるため、断面形状は円形となっています。伸線によって製造することが多い線材固有の事情として、引張強度については、線材が細いほどに強くなります。
SWM-Nの成分
軟鋼線材であるSWRM材を材料として用いている為、成分についてはこれに準じたものとなりますが、鉄線そのものには成分規定がありません。
SWM-Nの比重
冷間加工による伸線を経ているものの、熱間圧延鋼材がベースになっている為、他の鉄鋼系材料と比重については大きく変わらず、7.8前後になるものと推定されます。
SWM-Nの線径
鉄線の線径については規格により定められています。
SWM-Nの強度、機械的性質について
線径(直径) 【mm】 |
SWM-N |
---|---|
引張強さ N/mm2 |
|
0.10以上1.30未満 | - |
1.30以上1.80未満 | 740から1270 |
1.80 | 740から1270 |
2.00 | 740から1270 |
2.30 | 740から1270 |
2.60 | 690から1130 |
2.90 | 690から1130 |
3.20 | 690から1130 |
3.50 | 590から1030 |
4.00 | 590から1030 |
4.50 | 540から930 |
5.00 | 540から930 |
5.50 | 540から930 |
6.00 | 490から880 |
6.50 | 490から880 |
7.00 | 490から880 |
7.50 | − |
7.50を超え16.00以下 | − |
16.00を超え18.00以下 | − |
「JIS G 3532 鉄線」に規定のある材料記号
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