ZDC1の比重、融点、成分、強度などの物性|亜鉛合金の特性、材質、機械的性質

2013年8月31日更新

ZDC1は、ASTM規格ではAC41Aが相当合金で、Zamak 5の同等品としても知られます。亜鉛合金の一種で、機械的性質と耐食性、耐クリープ性に優れたことで知られ、同系統のZDC2より強度が要求される場合に使用が検討されます。また、アルミニウムダイカスト合金に比べると優れた減衰能と振動減衰を示します。亜鉛、アルミ、銅をベースにしている三元系合金です。強度については引張強さで約2割、硬度で約1割ほどZDC2より大きくなります。ヨーロッパで最も広く使われている亜鉛合金の一つとされます。

用途や部品への使用例としては、自動車ブレーキピストン、シートベルト巻き取り金具キャンバスプライヤーなどにも使われます。

メッキ、表面処理、機械加工などについても容易に行うことが可能です。

同じく亜鉛合金の規格材であるZDC2に比べると、実際に使われている量はきわめて少ないですが、耐食性に劣る代わりに、強度はこちらのほうが強いため、こうした用途では一考に値します。

ZDC1の比重

ZDC1の比重は6.70前後となります。鉄ほどではありませんが、重量や比強度などでは重い部類に入ります。

ZDC1の硬度

ブリネル硬さで91前後となり、引張強さと共にZDC2よりも高い値を持ちます。

ZDC1の成分、材質

ZDC1の成分、材質
亜鉛合金 Al Cu Mg Fe Zn 不純物
Pb Cd Sn
ZDC1 3.5から4.3 0.75から1.25 0.020から0.06 0.10以下 残部 0.005以下 0.004以下 0.003以下

ZDC1の機械的性質

ZDC1の引張強さ、伸び、衝撃値、硬度
亜鉛合金の種類 引張試験 衝撃値
N・m/cm2
硬さ
HB
(10/500)
引張強さ
N/mm2
伸び
ZDC1 325 7 160 91

ZDC1の熱膨張係数、比熱、熱伝導率、融点などの熱的特性

機械的強度に特徴のあるZDC1の熱的特性は次の通りです。

ZDC1の熱膨張係数、比熱、熱伝導率、融点などの熱的特性
線膨張係数 (20℃)27.4μm/m-℃
比熱 0.420 J/g-℃
熱伝導率 109W/m-K
融点 380℃から386℃前後

「JIS H 5301 亜鉛合金ダイカスト」(最新:2009年改訂)に規定のある材料記号

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