CLPを活用して積載効率をアップ

2024年7月1日更新

貿易におけるCLPとはコンテナロードプラン(Container Load Plan)の略で、コンテナの中に貨物がどのように配置されているかを示す書面です。積み付け明細書とも言われます。相手によってはコンテナマップということもあります。

CLPを見ればパレットの場所が一目瞭然

輸送する際に、コンテナのどこにどのパレットが入っているかが明示されていますので、品物を探すときだけでなく、例えば荷崩れを起こした時の隣接パレットの内容確認、危険物の配置検討、あるいは急ぎの品物が入っているコンテナを特定してその分だけ先に通関やドレージしてもらう等といったことにも使用できます。

メーカー側の輸入担当者の目線ではあまり見ることのない書面ですが、上記以外に、日々の実務でCLPを活用するとコンテナの積載率や注文した品物のバンニングに問題がないかをある程度つかむことができます。

FCL輸送はバンニングがへぼいとコスト増

例えば自身が海外からFCL(フルコン)で製品を輸入しており、輸送費を負担している場合、重量計算や容積計算を行って20ftコンテナ1本なのか、40ftコンテナ1本なのかは発注時にあらかじめ想定していると思います。これが実際に想定通りになっているのか、はたまた全く予想の斜め上のバンニングになっているかはCLPを見れば一目瞭然です。

逆に言えば、インボイスやパッキングリストだけでは実際のコンテナの積載状況は推測でしかなく、waybillやB/Lも総パレット数や総重量しかわかりませんので、何をどうコンテナに詰めたのかというのはCLPを見るのが確実です。

B/Lやwaybillを受け取った際、コンテナのサイズや本数を見て疑問に感じることがあるなら、輸出側からCLPを取り寄せるべきです。

FCLにおける輸送費は、コンテナ1本あたりいくら、という計算になっているので詰めるほどに製品1つ当たりにかかってくる輸送費が安くなります。

このためコンテナ内のパレットの二段積みがNGとなると、20ftコンテナに1m3のパレットが10パレット(二段積みOKなら20パレット)しか入りませんので、輸送費は単純に倍になる、ということになります。

これは容積や重量の異なる製品を多数オーダーした場合、バン詰めする輸出側がこちらの意図の通りにバンニングできないとうまくコンテナに入らず、余分なコンテナが出てしまったり、20ft→40ftへサイズ変更となってしまうことがあります。

40ft使用できるケースで20ftを使用することが問題

LCLでパレット単位でのコスト計算をしている場合や20ft1本分のオーダーというのであれば話はシンプルですが、例えば1m3のパレットが合計100パレットというような輸送を考えた場合、段積み可の条件でも20ftコンテナのみを使用すると5本となりますが、40ftを目いっぱい使用できるとすれば1本で40パレット入りますので40ft×2本+20ft 1本の輸送となり、輸送コストが下がります。

裏返すと、重量と容積をうまく組み合わせれば40ftコンテナを使えるのに、それをすべて20ftで輸送してしまうと輸送費が上がるということになります。

実際のパッキングリストとCLPを見比べることで、そのときのバンニングが最も効率の良いものだったのかという点を検証することができます。具体的には40ftコンテナを作ることができなかったということと、最小のコンテナ数になっているかという点がわかればよいことになります。輸送しているすべてのコンテナに積載されている総重量とパレット数から割り出していきます。製品は箱単位になっているので、1キロ刻みできれいに割ることはできませんが、検証時は理論上のコンテナ本数を出してみて、実際の製品箱の重量やパレット構成からそれが実現可能なのかを見ます。

パッキングリストはそもそも1パレットの構成の仕方(製品の組み合わせと重量)に問題がないかという点を見ることができますし、CLPはそのパレットをコンテナの重量と容積の上限に合わせて最大の積載率としているかがわかります。

CLPの見方|開口部と左右上下がわかればよい

記載方法は取引相手の企業によっても少々異なりますが、向きと上下、パッキングリストに対応するC/Noさえ理解できれば、どの国の言語で書かれていようがCLPは簡単に解釈できます。

40ftコンテナ満載で段積みOKの品物ならば、横から見ると下図のようになっています。下段のパレットが青、上段のパレットがオレンジということになります。

コンテナの配置図ともいえるコンテナマップ

真上から見た場合の図にする場合、コンテナ開口部と左右の表記、上段・下段が分かればコンテナの位置関係は特定できます。

コンテナマップの形式の場合、C/Noで表記している場合と、実際の製品名や型番を表記している場合もあります。

希望があれば輸出側と交渉して記載方法を統一してもらうのも一つの手です。

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