パレットの重さは平均何キロと見積もればよいか
輸送に使用するパレットの平均的な重さは、両面使用のもので寸法が1100mm x 1100mm x 144mmならば、25キロから30キロ前後のものが多いです。
パレットの重さの平均は、以下の要素によって増減します。
- 材質(木材、プラスチック、スチール、段ボール)
- 両面か片面か
- 二方差しか四方差しか
- ワンウェイかリターナブルか
平均は約30キロ
貿易等でグロス重量を算出する必要性から、パレットの材質が良く分からないという場合、1100 mm × 1100mm 四方のイチイチパレットであれば、1パレットの重さを30キロ程度で計算することが多いです。
というのも、貿易で最も使用例が多いプラスチックを材質とするパレットで両面使用可、二方差しという条件にすると、24 kg〜30 kg程度のパレットが多いからというのが理由になります。多少の重さの振れ幅や安全を見ても、40〜50 kgの範囲には収まります。心配であれば、1パレットの重さを50キロにして見積もっておけば重量オーバーする可能性は低くなります。
1パレットは何キロ以内にすべきか
なお、1パレットに積み付ける最大の総重量は、パレットの重さを含んでも1000 kgを超えないようにすべきです。というのも、一般的なカウンターリフトの重量制限が1000 kgまで、ということと、パレットの静荷重が1000 kgの設定のものが多いからです。また20ftコンテナで輸送する場合、20ftの総重量は21 t未満にすることが望ましいですが、1パレットを1000 kgにしておけば、20パレット満載にしても20tとなり重量制限にかかりません。
ただし実務上は、1パレットのグロス重量は1000 kgとしないことも多いです。運ぶ品物によっては700 kg〜900 kg程度に制限して運用する場合もあります。ほとんどのリーチリフトの重量制限は1000 kgまでないことや、段ボール箱の耐荷重が1000 kgないものもあります。
この点は段ボールメーカーとパレットメーカーが別となっている為、あわせての検討が漏れてトラブルになることがあります。端的に言えば、パレットメーカーは「パレット単体」での耐荷重や試験結果をもとに話をし、ダンボールメーカーはダンボール単体での耐荷重となります。
実際の輸送は、パレットとダンボールの組み合わせであり、角あてや天板、シュリンク梱包(ラップ巻き)、PPバンド掛け等の組み合わせで1つのパレットが完成するため、一つ一つの荷材に問題がなくても組み合わせて問題があれば是正しなくてはなりません。
例えば、パレットのある部分に想定以上の荷重がかかることでダンボールがつぶれる、というような事象が起きた場合、パレット側はパレット単体で壊れていないので問題なしという判断となり、ダンボール側はそもそも耐荷重を超える点が発生している時点で保証対象外ということになります。
腰痛対策には1箱12kg以内
加えて、1パレットの箱数が仮に12まわしの5段積みとした場合、60箱になりますが、1000 kgを重量制限とすると1箱の重量は16.6kgとなりかなりの重量となります。昨今は腰痛対策や事故防止のため、1箱の重量は12 kg前後とするケースが多く、そうなると12kg×60箱で720kgというのが標準的なパレットの重さとなります。安全を見ても1パレット750 kg〜800 kgというのはそうおかしな数字ではありません。
ただし、貿易における主力の海上輸送はコンテナ単位での輸送となることから、上限いっぱいまで詰め込めるだけ詰めるほど、輸送費が安くなります。
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