自動車業界での支給品
自動車の場合、支給品とは自動車メーカーから一部の部品や材料を、その部品メーカーに対して支給するもののことを言います。英語では、supply partsと呼んだりもします。
自動車部品は、通常、複数の部品から作られていますが、こうした構成要素の中には、自動車メーカーが自ら調達したほうがコストが安くなるものや部品メーカーでは品質管理が難しいものがあります。
こうした構成部品を、サプライヤーである自動車部品メーカーのかわりに自動車メーカーが調達し、支給する製造形態が存在します。これがいわゆる支給品や支給部品と呼ばれるものです。初期の試作段階では特に多用されることがあります。あるいは、系列の部品メーカーのものを量産時に使うため、こうしたものを試作段階から用いる必要があるケースもあります。
部品や材料によっては、大量に調達する自動車メーカーは取引のルートのみならず、査定能力にも長けていることから、部品全体のコストを下げるという意味では、メーカーによってはメリットのある手法となりますが、その分、管理工数がかかるという難点はあります。形式上は自動車メーカーが支給していても、別の部品メーカーから直接送られてくる、ということも珍しくはありません。物流のルートと、商流が違うというパターンです。
支給品を送ってくれるメーカーによっては、取引関係にあるわけでもなく、発送・納入予定情報が正確にもらえないこともあり、支給品がいつ届くのかよくわからない、という場合もあります。あまり支障になるようであれば、自動車メーカーを通じて改善要望を出す方法がとられることもあります。
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