英語でのアジェンダの書き方|会議の議題テンプレートとAgendaの役割
アジェンダとは
会議の開催前には参加者に前もってどのような内容の会議なのか、何について話し合いたいのか知らせておく必要があります。こうした目的で、会議の議題や予定表、進行表の役割を果たすのがアジェンダ(Agenda)と呼ばれるものです。
日本の会議では、対外的なものや取締役会などの正式なものでないとなかなかアジェンダに相当するような資料を前もって準備する習慣は少ないかもしれません。営業会議、製造会議、品質会議、製販会議、開発会議、予算会議、売上報告、クレーム報告、定例ミーティング、定例報告など定期的に行う会議については、時間だけ決まっており、人が集まったら順番に報告していくというスタイルが多く、アイデアを出し合ったり、解決のために議論を尽くすというような会議は珍しい部類に思います。
アジェンダを事前配布する意味
価値観や文化の多様な人たちと打ち合わせをする場合、「言わなくてもわかる」と早合点するのではなく、何でも言葉や文字にして伝える必要があります。そもそもこの会議に意味はあるのかと参加者が感じるようなものは開催したくないものです。マンネリ化しがちな定例ミーティングであっても、毎回アジェンダを用意することで、参加者の意識付けをし、目的をもって参加してもらうことで生産的な会議にしていきたいところです。
さて、英語でAgendaといった場合は、議題そのもののことのほか、先に述べた会議の予定表やスケジュールそのもののことも意味しますが、英語圏、非英語圏を問わず、アジェンダ抜きの会議はなかなか厳しいものがあります。人によっては参加自体を拒むこともあるかもしれません。ちょっとした打ち合わせでも、何について話したいのか知らせておけば、それがアジェンダとなります。
議題や進行表ときくと、硬く考えがちですが、アジェンダに備えていなければならない内容というのは、会議の開催日時・場所と出席者、会議で話し合いたい内容、これくらいです。昨今はよほどフォーマルで格式ばった会議でもない限り、書面で出すことも少なく、メールで簡潔に書いて送る形がほとんどです。
議題についても、会議の目的や参加者に応じて、詳細なものから、箇条書きで大まかに方向だけ決めてあるものまで多様なものがあります。あまり長くなるようであれば、別途添付資料という形でWordなどでファイルを準備して、会議開催とアジェンダを知らせるメールに添付するとよいでしょう。アジェンダそのものは簡潔に、すぐに見て何のことかわかるものが望ましいです。
アジェンダを送るタイミング
会議の案内や参加要請、召集通知などともに送られることも多く、基本的にはあらたまった会議だけでなく、規模の大小や内容を問わず、参加者には事前に送っておくのが生産的です。参加者も前もって考える時間や、持ち込みたい案についても検討ができます。
専門的な内容で話が込み入っているような会議では、アジェンダのほか、それに関連した添付資料を事前にメールで配信されることをおすすめします。その資料について参加者が頭に入れておかねばならないような場合、アジェンダの中にもそうした一筆を入れておくべきです。会議をスムーズに効率的にすすめるためには行き当たりばったりではなく、相応の準備が必要です。
アジェンダの構成
アジェンダ冒頭記載事項
- 題目(会議のタイトル。営業会議、製販会議等)
- 開催日時 Date and time
- 開催場所 location, place
- 主催者Meeting called by〜(あるいは単にCalled by〜)
- 出席者(要参加者)AttendeesもしくはParticipants
英語でのアジェンダは、日本語の会議通知と大きく変わるようなものではなく、冒頭部分に会議の題目(目的がわかるようなもの)、開催日時、開催場所、出席者について記載します。場合によってはMeeting called by〜(あるいは単にCalled by〜)といった形で、会議主催者を記載する場合もあります。
出席者の肩書きについては書く場合もあれば書かない場合もあり、一概には言えない部分がありますが、社外の人が参加するような会議の場合、参加者の社名・所属と肩書きについても入れておいたほうがよいでしょう。MrやMsなどの敬称はアジェンダにはつけないことが多いです。日時については電話会議やテレビ会議など時差のある場合は、どこの時間についてなのか記載が必要です(日本標準時ならば、JST等)。二カ国からの参加者の場合は、双方の時間をそれぞれ書いておくと親切です。
アジェンダの本文記載事項
会議にあたって事前準備が必要な場合
- Preparation for the meeting
- Advance preparation is required(要事前準備). Please prepare below items before this meeting.
アジェンダ(議題)記載部分
- Objectives(目的、狙い)
- Items to be discussed(話し合うべき内容)
- Purpose of this meeting(目的、狙い)
続けて、いきなり本題に入ります。一般にはObjective:というタイトルにして、解決すべき内容、議題、会議の目的、会議のゴールについて述べます。ObejectiveのかわりにPurposeやIssue、Items to be discussedといった言葉が使われることもあります。単に話し合う内容のみを列挙する場合は、Items to be discussedやAgendas to be discussed等がよいでしょう。
Objectiveを使うと、この会議で何を決めねばならないのかがより明確になります。また、これら議題を記載する前に、会議にもって来るべきものや準備しておくべきことがある場合はPreparation for the meetingというような形で、準備しておいて欲しいことを記載する場合があります。
アジェンダに記載するスケジュール
スケジュールについては、時間のおおまかな予定を入れておくケースもありますが、解決策を話し合うような会議や、意見やアイデアを出し合うような会議の場合、予定をつめすぎたり、報告重視の内容にしすぎないよう注意が必要です。
意見を互いに交わすような会議で議論が十分にできないと、参加者にフラストレーションがたまるだけでなく、貴重な会議が無駄になってしまいます。異なる立場の人同士、意見交換やディスカッションになるような場をつくるのはなかなか難しいですが、スケジュールをつめすぎない、報告時間だけでびっしり予定を組まない、等の配慮が要ります。
一方で、シンポジウムや報告会型の会議を主催する必要があるケースでは、Agendaの項目ごとに、発表時間とともに誰が発表者なのかを記載しておく場合もよくあります。各担当の発表後に、ディスカッションや質問ができる時間を少し作っておく場合もあります。
なお、スケジュールについては下記のアジェンダの例にもあるように、個々の議題を箇条書きにしている部分に組み込んでしまうこともよく行われます。個人的には、多数の人が発表や報告をするような会議ではない場合、時間詳細を議題ごとに記載するのは少々堅苦しいような気がします。
アジェンダのなかに参加者の役割を記載する場合
また、アジェンダの中には会議における「役割」をあらかじめ設定し、それが記載されているようなものも稀にあります。大規模な会議では時間管理のためにタイムキーパー役を設けることもよくあります。
この部分は冒頭の参加者のところへ持ってくることもあります(参加者の役割を括弧付けで記載する等)。もちろん、はじめて役割を依頼する場合やよく知らない者同士での会議では、アジェンダに記載する前に、個別に頼んでおくほうがよいでしょう。
日本語 | 英語 |
---|---|
司会、進行役、まとめ役 | facilitator |
記録係、議事録作成、書記 | note-taking, note-taker |
タイムキーパー | time-keeper |
アジェンダのテンプレート例
Sales meeting agenda
Date and time: November 20, 2015 9:00am-11:00am JST
Location: Conference room 204
Attendees:
Ichiro Suzuki
Tamaki Minakami
Josua Kain
Greg Simpson
Yue Zhang
Called by Tamaki Minakami
Objectives:
- Share the sales result and analysis for the first quarter
- Decide the best sales plan for the next quarter
- Share technical information about new product
Schedule:
9:00 to 9:30 Report and analysis of sales result for first quater (Tamaki)
9:30 to 10:40 Discuss sales plans for second quarter (all)
10:40 to 11:00 Announcement for new product release (Ichiro)
Roles:
Facilitator: Tamaki Minakami
Note-taker: Yue Zhang
営業ミーティングのアジェンダ
開催日時:2015年11月20日 朝9時から11時(日本時間)
場所:会議室204
参加者:
鈴木一郎
水上たまき
ジョシュア・ケイン
グレッグ・シンプソン
ユエ・ジャーン
主催者:水上たまき
会議の目的:
- 第1四半期の売上実績と分析の共有
- 第2四半期の最良の営業計画作成
- 新製品の技術情報の共有
スケジュール:
9:00から9:30 第1四半期の売上実績と分析の報告(水上たまき)
9:30から10:40 第2四半期の営業計画・企画についての話し合い
10:40から11:00 新製品リリースの告知 (鈴木一郎)
役割:
司会進行: 水上たまき
議事録、記録係: ユエ・ジャーン
Sales meeting agenda
Date and time: November 20, 2015 9:00am-11:00am JST
Location: Conference room 204
Attendees:
Ichiro Suzuki
Tamaki Minakami
Josua Kain
Greg Simpson
Yue Zhang
Called by Tamaki Minakami
Items to be discussed:
1. Report and analysis of sales result for first quater (Report by Tamaki)
2. Discuss sales plans for second quarter (all)
3. Announcement for new product release (by Ichiro)
Agenda for managers' meeting
1. Date and time: November 20, 2015 9:00am-12:00am JST
2. Location: Conference room 204
3. Attendees: All managers and general managers will be in attendees. Attendance is mandatory.
4. Advance preparation is required:
Please bring at least 2 plans to reduce the cost from your department
5. Schedule and items to be discussed:
9:00 Report of recent sales figures (from sales dept)
9:30 Explanation about Organization's structural reform plan (from cooperate planning dept)
10:00 Discuss plans for cost reduction (all)
Roles:
Facilitator: Cooporate planning dept
Note-taker: legal dept
Time-keeper: Administration dept
管理職会議のアジェンダ
1.開催日時:2015年11月20日 9:00am-12:00am(日本標準時)
2.場所:会議室204
3.参加者:全部課長。必ず出席のこと
4.事前準備必須。貴部門のコスト削減案を最低2案持参
5.議題とスケジュール
9:00 直近の営業実績報告 (営業部)
9:30 組織変更についての説明 (経営企画部)
10:00 コスト削減案について (全部門)
会議役割:
司会進行:経営企画部
議事録:法務部
タイムキーパー:総務部
報告や発表がメインになるような会議では、以下のように発表者と議題を列挙する形式もよく使われます。
Agenda | Presenter | Time |
---|---|---|
議題、議案 | 発表者 | 時間 |
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