英語での議事録のフォーマット、書き方、テンプレート例
英語では議事録のことをminutes(ミニッツ)、あるいはconference note、conference recordとも言います。多くの製造業でも、海外拠点の増加や海外取引先との打ち合わせの必要性から、会議を英語で行い、その結果決まったことを議事録として残す機会も以前よりずっと増えてきています。かく言う当社でも、10年前に比べ、英語での議事録を作成する機会は格段に増加しました。
英語での議事録といっても、書かねばならないことは日本語での会議議事録とさして変わりませんが、若干書式に工夫が必要な点、英語で会議が進められたとしても参加者にとっては互いに英語が母国語ではないことも珍しくありません。このため、「あのときの発言はそういう意味で言ったんじゃない」といったことが、より起きやすいということを念頭においておく必要があるでしょう。
ご承知の通り、日本語でも議事録は難しいもので、どちらなのか立場を明確にしづらい発言や意味する範囲について特に気をつけつつ発言している参加者の言葉をどのように「記録」として残すのか、という作業は時に、会議の中身を決定付けてしまうことすらあります。いわば議事録の作成者が方向をあとから決めてしまうというようなことも分かりづらい会議の場合は有り得ます。
会議は生産的なものでありたいですが、和気藹々としたものばかりでもなく、時には敵対する複数の勢力が入り乱れての舌戦が繰り広げられることもあるでしょう。また論点からずれた発言や、議題(Agenda)と関係のない発言などが出る場合もあります。
こうしたときの議事録というのは、「あのときの発言」「あのときの同意」「決定したこと」をめぐってもめることがあります。
英語での議事録の場合、こうしたことを避けるため、議事録に対し、参加者の署名(サイン)をしてもらい、それをもって正式な議事録(ミニッツ)とします。一方的な提起で他の参加者との話し合いにならなかった部分については、議事録としては割愛したほうがよいケースもあります。
英語の議事録に備えてなければならない内容
参加者 Attendees
(必要に応じて欠席者も記載。電話会議やテレビ会議の場合は、その旨を記載) 参加者に対して敬称をつけるかという問題は以前からありますが、筆者は自分も含め敬称をつけるようにしています。また、参加者の所属や部署、肩書きなどもフォーマルな会議であれば残して置くようにします。
開催場所 Place
日本の議事録ではあまり開催場所を書かないようですが、英語の議事録の場合はよく記載します。
開催日時 Date
開催された日時についても記載しておきます。
議題 Agendas
あらかじめ会議を招集する際には何について話し合いたいので御参集頂きたい旨連絡するかと思います。この際の議題も記録しておきます。
決定事項もしくは会議後に実施が決まったこと
最も重要な部分です。この部分は分離してもよいですが、どちらか一つにまとめてしまってもよいでしょう。下記の例のように、やるべきこと、担当者、期限を明確に書いておくことで、誰が何をいつまでにすることになったということを参加者全員に知らしめることができます。話が込み入ってくると、こうしたことが忘れられたりしないうちに整理して関係者間で共有することが重要となります。
次回の会議 Next meeting
次回実施の会議の議題や日時、場所、参加者についても、継続した案件であれば会議の最後に決めておき、議事録にも残しておくとよいでしょう。
サイン欄
会議で決まったことを公式に残しておく必要があるような場合は、ドラフトとして議事録を参加者に送って、訂正や問題などがなければサインをもらって正式な議事録とします。それを関係者間に配布などしておく形がよいでしょう。社内会議などではあまりここまですることもありませんが、複数社がかかわる場合で、重要な案件についてはサインをもらっておくに越したことはありません。
英語での議事録作成にあたって
作成にあたり気に留めておいたほうがよいと思われる内容について箇条書きにしておきます。
作成は早い方がよい。 |
必要なら概要を書き、どのような決定がなされ、どのような行動を誰がいつまでに取るべきなのかが明確にわかるように書く。 |
参加者の間で解釈に違いがあるといけないので、議事録を作ったら、DRAFTを書いたので問題がないか、参加者にメールなどで確認を求める。何らかの公式の議事録や意思決定が重要な意味を持つような場合は、議事録の末尾に、確認の意味を込め、参加者のサインをもらうようにする。 |
記述対象を明確に、目的をはっきりと書く |
副詞や形容詞をはじめ、装飾語などはなるべく使うのを控える。 |
(提案や議案の賛否については、人名を明記するが)誰それが何を言ったといった書き方をするのではなく、このような議論がなされてこのように決まったという形にする。 |
原則として、He/She said〜といった記述はとらない。 |
曖昧な書き方はしない。 |
経過を実況のように書くのではなく、議論の概要とその結果決まったことだけを書く。 |
時間がない場合などは、決定事項とやるべきことだけを記録するだけでもよい |
議事録内にて、添付資料1などの形で参照資料を明示する場合は、その書類が特定できる形で名前をつけておく。Appendix 1、Annex 1、Annex 2などの形式で。これら参照資料は要約したり、内容を部分抜粋したりせず、原文を添付資料としてつけておく。 |
英語での議事録テンプレートの例
議題ごとに決定事項を書かずにまとめて書くパターンとしては以下のような例もあります。
英語での議事録のうち、議題ごとに決定事項を記載していく場合のテンプレート
個別のアジェンダごとに何を話し、どんな決定となり、誰がいつまでに何をすることになったのかを記述していくタイプです。複数の議題についての話し合いと決定を行った場合に見やすくなります。
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