英語における改行ルール
英文における改行というのは、「意味内容で見た場合に文章をどこで改行するのか」と言う問題と、「単語を途中で切って改行する」というハイフネーションの問題とがあります。
ハイフネーションの例
My daughter goes to inter-
national school in Tokyo.
意味内容における改行
まとまったリポートやペーパー等では複数の行、段落が存在します。このため、メールのように「見やすく」「目に留まりやすく」「簡潔に」というルールだけで改行するわけには行きません。
意味のある「まとまり」ごとに改行し、内容が変われば段落を変えていくべきです。
一段落に一つの内容
原則として、一つの段落には一つの内容に絞込み、内容が変われば、その文章から改行して別の段落にすべきです。この際、文章の長さは関係ありませんが、意味内容がきらないほうがわかりやすい場合と、短く切ったほうがよい場合とがあります。
長すぎず、短すぎない文章
たとえば接続詞ごとに文章をぶつ切りすると、読み手のリズムが崩れてしまいます。意味から、適度に文章をつなげてこの読み手のリズムが崩れないように工夫していくのがよいかと思います。
一方で、接続詞がいくつも入ってくる等、一つの文章が長すぎると結局何が言いたいのか内容がぶれてきたり、2回以上読み直さないと何が言いたいのかわからなくなってきたりということは避けたいところです。特に英語は日本語よりも時制が複雑です。意味がわかりにくかったり、一文が長くなりすぎると感じたら、文を変えたほうがよいでしょう。
ビジネスの英文ではまずは「簡潔さ」「わかりやすさ」「正確さ」が重要となるので、これらを念頭に置き、適宜、必要に応じて改行していくことになります。
メールは特殊
なお、メールでは究極的には一つのメールに一文というのが理想とも言われます。簡潔にして明瞭、一文しかないので相手はその部分を必ず読む、一文に一つの内容がきちんと入っている、と言う点がメリットですが、少々そっけない印象もします。また、互いに英語が母語ではない場合は、多少くどい説明や例を出しての説明などもしたほうがよいこともあります。
ハイフネーション|"−"を使って単語を途中で切って改行する
まずはじめに、ハイフネーションは最後の手段で、基本的に単語を途中で切ってしまうことはやめたほうがよいです。原稿や文章にどうしても手が加えられない、スペースやフォント、行間などが調整不能でほかに方法がないというときのみ用いたほうがよいでしょう。英語圏の編集者等ではハイフネーションを使うことを嫌う人が多く、改行によって単語が切れてしまう場合、単語そのものを変えてしまうこともあります。
この点を踏まえた上で、ハイフネーションによる英語の改行について述べていきます。
ハイフンで改行
英文を作成する際に気になるのが、文末で単語を途中で折り返さなければならないような時です。直前の単語ごと改行するにしても、単語が長すぎると、段落や文章中に不自然な空白ができてしまいます。
すでに述べたとおり、基本はこうした一つの単語を途中で切らないように文章を調整するのがよいのですが、文章を推敲したり、フォントのサイズや文字間隔、行間隔を変えたりして対処できないような場合は、単語を途中で改行しなくてはなりません。
ハイフネーション(hyphenations)とはこのような単語を途中で切って改行する際につなぐ作法のことです。なお、単語そのものにハイフンが組み込まれているものもありますが、こうしたものは途中で切らないほうがよいでしょう。
英単語の改行はどこで切るのか
「切る場所」については、一般にはその単語が持つ分節の箇所で切ります(1音節以上)。ただし、これは分節で切らなくてはならないと言うものでもなく、単語や他の語法の影響も受けるため、すべての英単語の改行時のハイフネーションは分節で切るということにはなっていません。英語の出版物、雑誌、新聞などを見ると分節以外で切られることも多いです。
ハイフネーションで改行する際の一般的なルール
出版社等によっては社内にて独自のルールを持つケースもあり、ハイフネーションに関するルールについてはいかなるときでも適用可能な「規則」はないというのが実情です。個々の単語やメディア等によってもルールは変わりますが、比較的よく見られるルールを紹介します。
- 1.1音節以上(one-syllable)で切る(それ以下では切れない)
- 2.ハイフンは改行した前の行の文末につく。改行後の頭にはつかない
- 3.Prefixes(接頭辞)やSuffixes(接尾辞)によるハイフンは意味内容にしたがって切る
- 4.頭が残る行には、ハイフン抜きで最低2文字必要。末尾が入る行(改行した後ろの部分)には最低3文字必要
- 5.固有名詞(proper nouns)と固有形容詞(proper adjectives)ではハイフネーション禁止
- 6.単語にもともとハイフンが組み込まれているものは、そのハイフンを使って改行。新たにハイフンを足せない
- 7.二つのページに分かれてしまう場合はハイフネーション使用禁止
1.1音節以上(one-syllable)で切る
syllableは辞書を単語でひくと下記のように分節で区切られている部分です。一つの母音を含む音節のことです。このルールに従えば、以下のrepresentativeという単語は、最低repで切ることになり、冒頭のre-では切れないことになります。
分節:
rep・re・sent・a・tive
改行サンプル | 可否 |
---|---|
re- presentative |
NG |
rep- resentative |
OK |
- rep-の部分は2文字以上、1音節(one-syllable)以上であればよい
2.ハイフンは改行した前の行の文末につく
英単語をハイフンで切ったとき、ハイフンは必ず頭のほうの末尾につきます。改行された次の行へはつけません。
改行サンプル | 可否 |
---|---|
inter- national school |
OK |
inter -national school |
NG |
3.PrefixesやSuffixesによるハイフンは意味内容にしたがって切る
次のようにPrefixとして使われているような単語の場合、ハイフンそのものの位置が単語の意味にかかわってくるので、場所を変えることはできません。
分節:
rec・re・a・tion
英単語 | 意味 | 改行例 |
---|---|---|
re-creation | 作り直し、改造 | re- creation |
recreation | 気晴らし、レクリエーション、娯楽 | rec- reation |
4.頭が残る行には、ハイフン抜きで最低2文字必要。末尾が入る行(改行した後ろの部分)には最低3文字
改行とは、本来は切ってしまっては意味が通じなくなる単語を二つに割るわけですが、単語の前後それぞれの文字数が少なすぎると使うことができないと言うルールです。
改行サンプル | 可否 |
---|---|
e- |
NG |
OK |
5.固有名詞(proper nouns)と固有形容詞(proper adjectives)はハイフンで切れない
地名や人名をはじめ、固有名詞は単語を途中で切る形での強制改行ができません。固有名詞から派生している固有形容詞についても同様です。
前後の文章を含めて、単語や表現を変えるなどして固有名詞が切れてしまわないようにするか、多少の空白は気にせずに、単語ごと改行するかして対処することになります。
6.単語にもともとハイフンが組み込まれているものは、そのハイフンを使って改行
もともと単語そのものにハイフンが組み込まれているものがあります。こうした単語は改行する際にあらたにハイフンをつけることができないため、元からついているハイフンの箇所でうまく改行してやるしかありません。
改行サンプル | 可否 |
---|---|
sis- ter-in-law |
NG |
sister- in-law |
OK |
jac- k-o'-lantern |
NG |
jack-o'- lantern |
OK |
7.改ページにある場合は、英単語を切って改行できない
改ページとなるような部分にハイフネーションを使うと見辛くなるとの理由。
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