二重投資の意味と英語表現

2021年10月19日更新

二重投資の意味とは、本来は1回の投資ですむところに重ねて同じ案件で投資を行うことで、転じて重複してムダな投資を行うことの意味でも使われます。英語ではoverlapping investmentもしくはoverlap investmentといい、まさにこの重複した投資であることをそのまま表現しています。

ビジネスの現場で慣用的に使われるようになった表現で、どの業界にも共通する正式な定義というものはなく、使われる業種で微妙に意味が異なる、ふんわりとした境界の曖昧なビジネス用語の一つです。

使用方法としては、二重投資、三重投資、四重投資のような言い方もできまずが、重複した内容でムダな資金投入や投資を行ってしまうことを表現する際に使われることが多い用語です。

ただ、二重投資の名目であっても、費用が回収できるものであったり、投資効果が見込めるようなものにも使われることがあります。

例えば製造業の分野では設備や金型、治工具といった高額な投資を行ってはじめて生産が成り立つものについては、初期の段階でそうしたコストを厳密に計算しており、それらを加味して売価が設定されます。投資した分を何年で回収する、という見込みのもと設備投資の決定をすることになります。

また客先から金型費用を別途支払ってもらえるような場合も、同様に必要な生産能力にあわせて金型や治具を準備することになります。

こうした初期投資にもかかわらず、途中で増産や生産能力増強が必要となったような場合も、二重投資による稟議書等を社内回付して承認を得ることがあります。冒頭で述べた定義に従うのであれば、厳密には増産での追加投資は二重投資ではないのですが、初期投資から重ねて同じ案件に行うという意味では「二重」になるため、きちんと投資した費用が回収できる設備投資を追加で行う場合も、二重投資という表現が使われることがあります。

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