RHQの意味とは|GHQと地域統括会社となるRHQの違い
RHQとGHQは多国籍企業や多数の国に子会社・関係会社を持つグローバル企業で使われる企業形態の一つです。こうした文脈で使われる場合、RHQは地域統括会社を意味し、英語のRegional Headquartersの頭文字の略語です。GHQはグローバル本社を意味し、英語ではGlobal Headquartersとなります。
企業統治やガバナンスの分野では、グローバルに展開する企業をどのように効率的・効果的にまとめていくかというのは常に憂慮すべき問題で、意思決定のあり方から実務の運用面の役割分担・指揮系統をどのようにするか、という問題でもあります。
一昔前は、GHQを一つ構えておけば、そこで各国の関係会社を集中管理する、という方法も取られていましたが、企業規模が大きくなった多国籍企業は、RHQを各地域ごと、例えばヨーロッパのRHQ、中国のRHQ、北米のRHQ、南米のRHQ、東南アジアのRHQ、アフリカのRHQといった具合に地域統括会社を設立して、個々の地域のガバナンスにあたらせる方式をとるようになってきています。
これは税制でのメリット、例えば低税率国にRHQを設立してコスト削減をはかるという意図のほか、設立地域によっては本社であるGHQがもっている海外子会社の株式を譲渡することで本社側の税制が有利に働くケースもあります。あるいは、その国に会社を作ることで何らかの税制上の優遇措置を受けられるような場合、域内の他の会社はRHQの子会社という形にする場合があります。
会計、為替リスクの集中管理、税務、法規制の面からRHQを設立したほうがメリットがあると算定されるケースのほか、こうした地域統括会社に法務やHRといった機能を集約させているケースもあります。専門性の高い分野を一元管理・提供することで、個々の会社でこうした部門・人材を有するよりもコスト削減・効率化になるという考え方です。
また販売やマーケティング面での統括機能を主眼にして設立されるケースもあります。例えば、ASEAN域内に複数社存在する製造子会社のすべての営業機能を、域内のRHQが担うという具合です。
昨今の巨大な多国籍企業の場合、各RHQ間で通底する共通項がほとんどないという場合もあります。RHQ自体がひとつの多国籍企業のようになっているため、実務面の動きはわざわざRHQ間をまたいで調整せずともその中で完結してしまうためです。
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