ブタジエンゴム(BR)の成分、用途、特性、物性(比重、耐熱性、硬度)、耐薬品性について
優れたゴム弾性を持ち、耐摩耗性にも優れた合成ゴムです。ゴム弾性については、天然ゴムをも凌駕し、原料ゴムの中で最も高いとされます。耐摩耗性の高さも際立っており、スチレンブタジエンゴムよりも優れているため、自動車タイヤのなかでも側壁(カーカス)などにも使われます。他に、耐寒性や透明性にも優れているゴムで、透明性の良さからプラスチック材料の強度向上に使われることもあるとされます。耐寒性については零下100度程度まで耐性があります。SBRと相性が良く、まぜて使われることもあります。引き裂き強度については強いほうではなく、欠けることがあります。強度は単体ではあまり強くないことから、他の原料ゴム等と混合して用いられる材料です。
成分、構造 | ポリブタジエン | |
---|---|---|
純ゴムの性質 | 比重 | 0.91から0.94 |
ムーニー粘度 ML1+4(100℃) | 35から55 | |
物理的性質および耐性 | 硬度の範囲(可能な範囲。JIS硬さ) | 30から100 |
引張強さ(kgf/cm2) | 25から200 | |
伸び(%) | 800から100 | |
反発弾性 | 優 | |
引き裂き強さ | 良 | |
耐摩耗性 | 優 | |
耐屈曲亀裂性 | あまり良くない | |
耐熱性(使用可能な温度の範囲、℃) | −100から100 | |
耐老化性 | 良 | |
耐光性 | 良 | |
耐オゾン性 | 悪い | |
耐炎性 | 悪い | |
電気絶縁性(Ω・cm)(体積固有抵抗) | 1014から1015 | |
ガス透過性(cc・cm/cm2・sec・atm) | 13から50 | |
耐放射線性 | 悪い | |
耐油性、耐溶剤性 | ガソリン、軽油 | 悪い |
ベンゼン、トルエン | 悪い | |
トリクレン | 悪い | |
アルコール | 優 | |
エーテル | 悪い | |
ケトン(MEK) | あまり良くない〜良 | |
酢酸エチル | 悪い〜あまり良くない | |
耐酸性、耐アルカリ性 | 水 | 優 |
有機酸 | 悪い | |
高濃度無機酸 | あまり良くない | |
低濃度無機酸 | 良 | |
高濃度アルカリ | 良 | |
低濃度アルカリ | 良 |
ゴムの種類一覧
- 天然ゴム(NR)
- イソプレンゴム(IR)
- スチレンブタジエンゴム(SBR)
- ブタジエンゴム(BR)
- クロロプレンゴム(CR)
- ブチルゴム(IIR)
- ニトリルゴム(NBR)
- エチレン・プロピレンゴム(EPM、EPDM)
- クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)
- アクリルゴム(ACM)
- ウレタンゴム(U)
- シリコーンゴム(VMQ、PVMQ、FVMQ)
- フッ素ゴム(FKM)
- 多硫化ゴム(T)
スポンサーリンク
>このページ「ブタジエンゴム(BR)の成分、用途、特性、物性(比重、耐熱性、硬度)、耐薬品性について」の先頭へ
- 加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る
- 「ゴムの種類と特性、物性について」へ戻る