シリコーンゴム(VMQ、PVMQ、FVMQ)の特性|シリコーンゴムの成分、用途、比重、耐熱性、硬度、耐薬品性などの物性

2011年8月26日更新

耐熱性と耐寒性を兼ねそなえ、カバーできる温度範囲が広いゴムで耐油性にも優れています。零下120度近くまで耐寒性を持つ合成ゴムは他になく、耐熱性についても280度程度まであるため、これらの性質が必要な時にはうってつけの材料です。

低温と高温の双方に強いシリコーンゴム

ゴム材料の一つの弱点である低温脆化、つまり氷点下などの低温環境では材料がもろくなって物性が著しく低下する現象が問題となるようなケースでは、候補材料の一つと言えます。

また耐溶剤性、耐オゾン性、耐侯性にも優れています。劣化しなければ、ゴムとしては非粘着性のものになります。電気的特性にも優れており、安全面からも医療用として良く使われています。

ガス透過性についてもゴムの中ではトップです。欠点としては、フッ素ゴムに次ぐ価格の高さや、機械的強度の弱さ等があげられます。また強酸や強アルカリ、シリコーンオイル等には弱い性質を持ちます。密封状態での加熱や、高温塩素水にきわめて弱いゴムです。用途は医療用の他、電気絶縁用途や工業用ロール、オイルシール、ガスケット、パッキン、防振ゴム、耐熱耐寒が求められる部材に使われます。

シリコーンゴム(VMQ、PVMQ、FVMQ)の成分や物性、性質
成分、構造 有機ポリシロキサン
純ゴムの性質 比重 0.95から0.98
ムーニー粘度 ML1+4(100℃) 液状
物理的性質および耐性 硬度の範囲(可能な範囲。JIS硬さ) 30から90
引張強さ(kgf/cm2 30から120
伸び(%) 500から50
反発弾性
引き裂き強さ 悪い〜あまり良くない
耐摩耗性 悪い〜あまり良くない
耐屈曲亀裂性 悪い〜良
耐熱性(使用可能な温度の範囲、℃) -120から280
耐老化性
耐光性
耐オゾン性
耐炎性 悪い〜良
電気絶縁性(Ω・cm)(体積固有抵抗) 1011から1016
ガス透過性(cc・cm/cm2・sec・atm) 400
耐放射線性 あまり良くない〜優
耐油性、耐溶剤性 ガソリン、軽油 悪い〜あまり良くない
ベンゼン、トルエン 悪い〜あまり良くない
トリクレン 悪い〜良
アルコール
エーテル 悪い〜あまり良くない
ケトン(MEK)
酢酸エチル あまり良くない〜優
耐酸性、耐アルカリ性
有機酸
高濃度無機酸 あまり良くない
低濃度無機酸
高濃度アルカリ
低濃度アルカリ

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