エチレン・プロピレンゴム(EPM、EPDM)の成分、用途、特性、物性(比重、耐熱性、硬度)、耐薬品性について
合成ゴムの中でも耐侯性、耐老性や耐オゾン性、耐熱性に比較的優れた性質を示すタイプで、他にも耐寒性や耐水性も兼ね備え、電気特性も良好です。比重が他の原料ゴムと比べても低い0.86で、紹介したものの中では最も低い値です。耐薬品性についてはかなり優れており、高濃度の無機酸やアルカリの溶剤、極性液体に強いゴムです。またゴム材料としては、粘着性や接着性があまりありません。欠点としては、耐油性や残留塩素にはかなり劣ります。用途としては、窓枠のゴムやコンベヤベルト、電線の被覆目的、スチームホース等があります。
成分、構造 | エチレン・プロピレン・共重合体(三元共重合体) | |
---|---|---|
純ゴムの性質 | 比重 | 0.86から0.87 |
ムーニー粘度 ML1+4(100℃) | 40から100 | |
物理的性質および耐性 | 硬度の範囲(可能な範囲。JIS硬さ) | 30から90 |
引張強さ(kgf/cm2) | 50から200 | |
伸び(%) | 800から100 | |
反発弾性 | 良 | |
引き裂き強さ | あまり良くない | |
耐摩耗性 | 良 | |
耐屈曲亀裂性 | 良 | |
耐熱性(使用可能な温度の範囲、℃) | −60から150 | |
耐老化性 | 優 | |
耐光性 | 優 | |
耐オゾン性 | 優 | |
耐炎性 | 悪い | |
電気絶縁性(Ω・cm)(体積固有抵抗) | 1012から1016 | |
ガス透過性(cc・cm/cm2・sec・atm) | 15 | |
耐放射線性 | 悪い | |
耐油性、耐溶剤性 | ガソリン、軽油 | 悪い |
ベンゼン、トルエン | あまり良くない | |
トリクレン | 悪い | |
アルコール | 優 | |
エーテル | 良 | |
ケトン(MEK) | 優 | |
酢酸エチル | 優 | |
耐酸性、耐アルカリ性 | 水 | 優 |
有機酸 | 悪い | |
高濃度無機酸 | 良 | |
低濃度無機酸 | 優 | |
高濃度アルカリ | 優 | |
低濃度アルカリ | 優 |
ゴムの種類の一覧
- 天然ゴム(NR)
- イソプレンゴム(IR)
- スチレンブタジエンゴム(SBR)
- ブタジエンゴム(BR)
- クロロプレンゴム(CR)
- ブチルゴム(IIR)
- ニトリルゴム(NBR)
- エチレン・プロピレンゴム(EPM、EPDM)
- クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)
- アクリルゴム(ACM)
- ウレタンゴム(U)
- シリコーンゴム(VMQ、PVMQ、FVMQ)
- フッ素ゴム(FKM)
- 多硫化ゴム(T)
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