天然ゴム(NR)の成分、用途、特性、物性(比重、耐熱性、硬度)、耐薬品性について
天然ゴムは機械的強度をはじめとする物性面でも優れた原料ゴムで、一般には天然のゴムの樹液(ラテックス)から製造されます。ゴム弾性が大きく、動的発熱性が低いほか、引き裂き強度についてはトップクラスの強さを持っています。未加硫時の強伸度も大きい材料です。また、耐寒性に優れ、加工性や接着、粘着性もよいゴムです。その引き裂き強さのため、大型自動車のタイヤとしても使われます。またトラクタータイヤ、ベルト、ホース、履物など一般消費財から工業用途まで幅広く使われています。天然ゴムは合成ゴムに比べると耐摩耗性については劣る傾向があります。また欠点としては、オゾンに弱く、火にも弱い点があげられます。
成分、構造 | ポリイソプレン | |
---|---|---|
純ゴムの性質 | 比重 | 0.92 |
ムーニー粘度 ML1+4(100℃) | 45から150 | |
物理的性質および耐性 | 硬度の範囲(可能な範囲。JIS硬さ) | 10から100 |
引張強さ(kgf/cm2) | 30から350 | |
伸び(%) | 1000から100 | |
反発弾性 | 優 | |
引き裂き強さ | 優 | |
耐摩耗性 | 優 | |
耐屈曲亀裂性 | 優 | |
耐熱性(使用可能な温度の範囲、℃) | -75から90 | |
耐老化性 | 良 | |
耐光性 | 良 | |
耐オゾン性 | 悪い | |
耐炎性 | 悪い | |
電気絶縁性(Ω・cm)(体積固有抵抗) | 1010から1015 | |
ガス透過性(cc・cm/cm2・sec・atm) | 18 | |
耐放射線性 | あまり良くない〜良い | |
耐油性、耐溶剤性 | ガソリン、軽油 | 悪い |
ベンゼン、トルエン | 悪い | |
トリクレン | 悪い | |
アルコール | 優 | |
エーテル | 悪い | |
ケトン(MEK) | あまり良くない〜良い | |
酢酸エチル | 悪い〜あまり良くない | |
耐酸性、耐アルカリ性 | 水 | 優 |
有機酸 | 悪い | |
高濃度無機酸 | あまり良くない | |
低濃度無機酸 | 良 | |
高濃度アルカリ | 良 | |
低濃度アルカリ | 良 |
ゴムの種類一覧
- 天然ゴム(NR)
- イソプレンゴム(IR)
- スチレンブタジエンゴム(SBR)
- ブタジエンゴム(BR)
- クロロプレンゴム(CR)
- ブチルゴム(IIR)
- ニトリルゴム(NBR)
- エチレン・プロピレンゴム(EPM、EPDM)
- クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)
- アクリルゴム(ACM)
- ウレタンゴム(U)
- シリコーンゴム(VMQ、PVMQ、FVMQ)
- フッ素ゴム(FKM)
- 多硫化ゴム(T)
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