ニトリルゴム(NBR)の成分、用途、特性、物性(比重、耐熱性、硬度)、耐薬品性について
耐油性や耐摩耗性のほか、耐老化性に特に優れた合成ゴムで、加工性や機械的強度でも優秀です。性能や加工性の面の他、価格もバランスがとれているとされますが、耐オゾン性や耐熱性の面で課題があります。また耐寒性はニトリルの含有量が多いほどに劣るため、配合などに留意する必要があります。耐油性についてはニトリルの多いもののほうが優れています。
オイルシールやガスケットなどの封止を目的としたものや、耐油ホース、コンベヤベルト、印刷ロールや耐油製品全般に使われます。耐水性や耐薬品性についても難があるため、これらについても考慮する必要があります。
成分、構造 | ブタジエン・アクリロニトリル共重体 | |
---|---|---|
純ゴムの性質 | 比重 | 0.96から1.02 |
ムーニー粘度 ML1+4(100℃) | 30から130 | |
物理的性質および耐性 | 硬度の範囲(可能な範囲。JIS硬さ) | 20から100 |
引張強さ(kgf/cm2) | 50から250 | |
伸び(%) | 800から100 | |
反発弾性 | 良 | |
引き裂き強さ | 良 | |
耐摩耗性 | 優 | |
耐屈曲亀裂性 | 良 | |
耐熱性(使用可能な温度の範囲、℃) | −50から120 | |
耐老化性 | 優 | |
耐光性 | 良 | |
耐オゾン性 | 悪い | |
耐炎性 | 悪い〜あまり良くない | |
電気絶縁性(Ω・cm)(体積固有抵抗) | 102から1111 | |
ガス透過性(cc・cm/cm2・sec・atm) | 0.3から3.5 | |
耐放射線性 | あまり良くない〜良 | |
耐油性、耐溶剤性 | ガソリン、軽油 | 優 |
ベンゼン、トルエン | 悪い〜あまり良くない | |
トリクレン | 悪い | |
アルコール | 優 | |
エーテル | 悪い〜あまり良くない | |
ケトン(MEK) | 悪い | |
酢酸エチル | 悪い〜あまり良くない | |
耐酸性、耐アルカリ性 | 水 | 優 |
有機酸 | 悪い〜あまり良くない | |
高濃度無機酸 | 良 | |
低濃度無機酸 | 良 | |
高濃度アルカリ | 良 | |
低濃度アルカリ | 良 |
ゴムの種類一覧
- 天然ゴム(NR)
- イソプレンゴム(IR)
- スチレンブタジエンゴム(SBR)
- ブタジエンゴム(BR)
- クロロプレンゴム(CR)
- ブチルゴム(IIR)
- ニトリルゴム(NBR)
- エチレン・プロピレンゴム(EPM、EPDM)
- クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)
- アクリルゴム(ACM)
- ウレタンゴム(U)
- シリコーンゴム(VMQ、PVMQ、FVMQ)
- フッ素ゴム(FKM)
- 多硫化ゴム(T)
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