SPFH590の機械的性質、引張強さ、耐力、降伏点、板厚公差、成分、比重

2013年2月4日更新

自動車用の熱間圧延鋼板としては、最も高い引張強さと降伏点をもつ高強度のハイテン材です。冷間圧延鋼板ではこれ以上の引張強さを持つ鋼種もありますが、熱間圧延によるものとしては降伏点が最も高い材料でもあります。反面、伸びについてはSPFH材の中では最も低くなっています。自動車の車体で言うと、550〜600N/mm2の引張強度をもつ鋼材は、バンパー・ステー、ドアガードバーといった部分の強化部品として使われる鋼板となります。

SPFH590の比重

鋼板の比重の基準は、7.85になります。

SPFH590の引張強さ、耐力、降伏点、伸び

SPFH590の機械的性質(引張強さ、降伏点、耐力、伸び)
鋼材の種類 引張強さ(N/mm2 降伏点、耐力(N/mm2 伸び(%)
厚さ(mm)
1.6以上2.0未満 2.0以上2.5未満 2.5以上3.25未満 3.25以上6.0以下
SPFH590 590以上 420以上 19以上 20以上 21以上 22以上

※引張試験片:5号試験片。圧延方向に直角。

SPFH590の成分

SPFH鋼材には成分に関する規定がありませんが、供給者と需要者の間で別途定めても良いことになっています。

SPFH590の曲げ性

SPFH590の曲げ性
鋼板の種類・記号 曲げ角度 内側半径 曲げ試験片
厚さ(mm)
1.6以上3.25未満 3.25以上6.0以下
SPFH590 180° 厚さの1.5倍 厚さの1.5倍 3号試験片。圧延方向に直角。

SPFH590の板厚

SPFH590の板厚の種類(1.6mm以上6.0mm以下)
板厚(単位:mm)
1.6
1.8
2.0
2.3
2.5
2.6※
2.8
2.9※
3.2
3.6
4.0
4.5
5.0
5.6
6.0

SPFH590の板厚公差

SPFHの板厚の許容差(許容公差)
板厚の範囲(mm) 鋼板の幅(mm)
1200未満 1200以上1500未満 1500以上1800未満 1800以上2160未満
1.60以上2.00未満 ±0.16 ±0.19 ±0.20(1600未満のとき) -
2.00以上2.50未満 ±0.18 ±0.22 ±0.23(1600未満のとき) -
2.50以上3.15未満 ±0.20 ±0.24 ±0.26(1600未満のとき) -
3.15以上4.00未満 ±0.23 ±0.26 ±0.28 ±0.30
4.00以上5.00未満 ±0.26 ±0.29 ±0.31 ±0.32
5.00以上6.00未満 ±0.29 ±0.31 ±0.32 ±0.34
6.00 ±0.32 ±0.33 ±0.34 ±0.38

SPFH590鋼板の平坦度

SPFH590の平坦度(最大値)
鋼板の記号 板厚の範囲(mm) 板の幅(mm)
1250未満 1250以上1600未満 1600以上2000未満 2000以上
SPFH590 1.60以上4.00未満 20 22 24 -
4.00以上6.00以下 18 20 22 26

「JIS G 3134 自動車加工性熱間圧延高張力鋼板及び鋼帯」に規定のある材料記号

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