金属材料の衝撃強度、耐衝撃性

2013年1月6日更新

金属の衝撃に対する強さや、衝撃値や、伸び、絞りといった指標で見ることができます。これは金属の持つ靱性(じんせい)という性質と連動しており、靱性のある材料とはすなわち粘り強い材料であり、衝撃強度に優れた材料でもあります。

衝撃強度は、通常、硬さとは反比例します。つまり、硬い金属ほど、衝撃に対しては弱くなっていきます。硬いものは脆いということです。とはいえ、軟らかいものにしたら靱性に優れた粘り強いものになるかというとそうでもありません。

金属材料の場合は、熱処理によってこの衝撃強度をかなり調整することができます。

衝撃強度を上げるためには、完全な焼入れ・焼き戻しが有効です。また、衝撃への強くするためのアプローチとしては、意図的に熱処理前の鋼材に炭素量の低いものを使うことで焼入れ硬さを下げ、焼入れしているにもかかわらず靱性を損なわない状態にする方法もあります。一方で、表面だけを非常に硬くし、鋼材の深部の硬さは逆に下げたままにし、耐摩耗性と耐衝撃性の両立を狙ったものもあります。

このように、硬さと靱性という相反する特徴のバランスをとりつつ、衝撃と磨耗の双方への耐性を高める工夫もあります。

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