SWP-Aの材質、成分、引張強さ、強度|ピアノ線の強度、材質、成分に関する規格
3種類あるピアノ線のうち、SWP-Aは線径0.08mmから10mm以下とサイズのバリエーションが最も豊富なタイプとなります。ばねとしては高級な、主として動荷重を受けるばね用のものです。動荷重が想定される一般用ばね用。自動車のうち、クラッチやブレーキのバネや電気機器・電子機器のバネとしてもよく使われます。繰り返しの荷重については、その力が変化する動荷重と呼ばれるより厳しい負荷環境でも、ピアノ線は耐えうる性能を持ちます。鉄鋼製の線材としても優れた強度を持つ材料の一つで、疲労強度にも優れます。
SWP-Aの物性
SWP-Aの引張強さ
標準の線径 (mm) |
SWP-Aの引張強さ (N/mm2) |
---|---|
0.08 | 2890から3190 |
0.09 | 2840から3140 |
0.10 | 2790から3090 |
0.12 | 2750から3040 |
0.14 | 2700から2990 |
0.16 | 2650から2940 |
0.18 | 2600から2890 |
0.20 | 2600から2840 |
0.23 | 2550から2790 |
0.26 | 2500から2750 |
0.29 | 2450から2700 |
0.32 | 2400から2650 |
0.35 | 2400から2650 |
0.40 | 2350から2600 |
0.45 | 2300から2550 |
0.50 | 2300から2550 |
0.55 | 2260から2500 |
0.60 | 2210から2450 |
0.65 | 2210から2450 |
0.70 | 2160から2400 |
0.80 | 2110から2350 |
0.90 | 2110から2300 |
1.00 | 2060から2260 |
1.20 | 2010から2210 |
1.40 | 1960から2160 |
1.60 | 1910から2110 |
1.80 | 1860から2060 |
2.00 | 1810から2010 |
2.30 | 1770から1960 |
2.60 | 1770から1960 |
2.90 | 1720から1910 |
3.20 | 1670から1860 |
3.50 | 1670から1810 |
4.00 | 1670から1810 |
4.50 | 1620から1770 |
5.00 | 1620から1770 |
5.50 | 1570から1710 |
6.00 | 1520から1670 |
6.50 | 1520から1670 |
7.00 | 1470から1620 |
8.00 | 1470から1620 |
9.00 | 1420から1570 |
10.0 | 1420から1570 |
SWP-Aの成分、材質
ピアノ線の材料は高炭素鋼材ですが、成分の規定については使われているピアノ線材ごとに設定されています。
SWP-Aの線径
三種類あるピアノ線SWP-A、SWP-B、SWP-Vそれぞれで寸法の範囲は変わります。
線の直径(単位:mm) |
---|
0.08 |
0.09 |
0.10 |
0.12 |
0.14 |
0.16 |
0.18 |
0.20 |
0.23 |
0.26 |
0.29 |
0.32 |
0.35 |
0.40 |
0.45 |
0.50 |
0.55 |
0.60 |
0.65 |
0.70 |
0.80 |
0.90 |
1.00 |
1.20 |
1.40 |
1.60 |
1.80 |
2.00 |
2.30 |
2.60 |
2.90 |
3.20 |
3.50 |
4.00 |
4.50 |
5.00 |
5.50 |
6.00 |
6.50 |
7.00 |
8.00 |
9.00 |
10.0 |
SWP-Aの許容公差
線径 | 許容差、寸法公差 | 偏径差 |
---|---|---|
0.08以上0.20以下 | ±0.004 | 0.004以下 |
0.20を超え、0.50以下 | ±0.008 | 0.008以下 |
0.50を超え1.00以下 | ±0.010 | 0.010以下 |
1.00を超え2.00以下 | ±0.015 | 0.015以下 |
2.00を超え3.20以下 | ±0.020 | 0.020以下 |
3.20を超え5.50以下 | ±0.030 | 0.030以下 |
5.50を超え8.50以下 | ±0.040 | 0.040以下 |
8.50を超え10.0以下 | ±0.050 | 0.050以下 |
「JIS G 3522 ピアノ線」(1991年)に規定のある材料記号
「JIS G 3502 ピアノ線材(2013年改訂)」に規定のある材料記号
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