デリバリーノートとパッキングリストの違い

2014年2月3日更新
デリバリーノートとパッキングリストの違い

パッキングリストは、海外との貿易においては梱包明細と訳されますが、インボイスと並んで貿易において必須書類のひとつで、その輸送品の単位(箱、樽、パレット等)やその個数、正味重量、総重量などが明記された書類です。

日本で言うところの納品書の役割も果たしているので、注文したものが着荷したとき、パッキングリストを見れば、何が何個、何箱に分かれて入っているのかといったことが一目でわかる書類です。

輸出先の現地企業から、「頼んだものが入ってないんだけど」といった場合に多いのが、先方がパッキングリストをよく見ていない、あるいは物流担当者がパッキングリストを見ていないといったケースです。こちらが梱包内容を間違えた場合は別ですが、特にコンテナなどの輸送においては、現物とインボイスだけからは現物との照合は困難です。ましてやその品物を発注した大元の部署ではない物流部門が見るわけですから、パッキングリスト抜きには確認作業もままなりません。

デリバリーノートにも、受領者の宛先や輸送単位、梱包単位、中身の明細、重量、個数などの情報が記載されています。ただし、この書類は当事者間でやり取りされる納品書であり、発送先から受領先へ宛てた書類です。パッキングリストと違って、税関で見られることもありませんし、会社によって内容や目的が違いますので、客先の要望に応じて発行することになります。納品書としての用途だけでなく、受領書としても使うことができますので、こうした場合は発送先から荷物の中に入れたり、添付したりして、返送を促すことになります。

なお、一度の輸送で製品のカテゴリーが複数あって梱包単位も細かく分かれているような場合、物流部門などで振り分ける必要があります。こうした場合、パッキングリストだけでは詳細な製品分類や箱の入り数(各箱の中に、何が何個入っているか)といった情報を記載しきれないため、デリバリーノートの出番となります。

デリバリーノートとパッキングリストの違い
書類 用途 略称
デリバリーノート 貿易を行う企業間や個人間のやり取りで使う納品書や受領書の役割を持つ書類。通関(荷物が国境を越えるための税関の手続き)には関係がなく、企業間の納品確認に使うため、明細や部署名、サプライヤーコードなど取引に固有の情報を記載することも多い。パッキングリストには記載できない細かいことまで記入し、荷物の受け入れ部門が社内で円滑に物流業務や受領業務を行うことに活用されることが多い。 DN、D/N
パッキングリスト インボイスとともに、通関の上では必須となる貿易書類。梱包明細書のことだが、納品書としても利用可能。中身はデリバリーノートとよく似ていることが多いが、記載せねばならない事項はある程度決まっている。海外の税関では、使う用語について規定している国もある。一度の輸出(輸送単位)に対して、一通発行し、インボイスと対になっている。 PL、P/L

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