横持ちを英語でいうと

2014年11月25日更新
横持ちを英語

横持ちとは物流の世界ではよく使われる用語で、倉庫から倉庫への移動を意味します。業界用語、あるいは現場用語に近いものがありますが、わりとよく使う為、英語で説明する機会もあるかもしれません。ただし、「横持ち」が何を意味するのかについては、メーカー視点、商社視点、フォワーダー視点で微妙に違うことがあり、これは個々の会社によっても微妙に違うことがある為注意を要します。

英語ではドレージ(Drayage)と言われることもありますが、日常的に使われる「横持ち」とは少し意味が違うことがある為、実態にあわせて相手に説明したほうがよいでしょう。ドレージは横持ちというよりは、日本語でもそのまま「ドレージ」として使われる用語で、コンテナヤード等でのコンテナを移動する(陸上輸送する)場合に使われることが多く、対して横持ちは物品をある倉庫へ集約して梱包し、配送すること全般の意味があります。

このため、横持ちを英語に直すとすれば、tranportation between warehouses(倉庫間移動)やinland transportation(国内輸送)、conveying products to packing station or distribution station(製品の梱包場所や集配所への輸送)といった形で、何を依頼しているのかによって表現が異なってきます。横持ち費用のことについて英語でいう場合は、前述のそれぞれの頭に「cost for〜」をつければ、費用の意味となります。

具体的には、梱包や配送を効率化したり、集約したりするため、倉庫間・梱包場所間で荷物・製品を移動させること全般を「横持ち」と呼ぶことが多いです。

海外取引先や自社の海外工場などにとっても横持ち費用が無縁ではないのは、この費用が往々にしてFOBコストに算入される費用となっている事情があります。会社によってはコスト低減の為、横持ちによって、自社の工場から別会社の配送センターや倉庫へ製品を一旦移動させ、梱包作業などを丸ごと外注しているケースがあります。横持ち費用と呼ばれるこうした費用は、梱包費用や再配送、集配費用も含んでいることがあり、数量や品目が多いものや梱包コストのかかる物品の場合、貿易上のコストとしては無視できないものとなります。

特に点数・種類が多い部品類などの場合は、注文ごとに仕訳・梱包機能も果たす「横持ち」を外部の運送会社が担っていることもあります。

FOBコストの場合、当然このコストが相手への請求内容へ算入されるという前提ですが、難しいのはEXWの場合です。エックスワークス条件は、工場出し価格と呼ばれる通り、自社の工場から出る際の費用も買い手の負担となります。横持ち費用についても当然そうなるわけですが、自社の外注先が梱包を引き受けている場合、この外注梱包を行っている会社が、海外の会社へ直接費用請求することが難しいため、売り手側に請求するしかなく、結局、売り手から買い手へこの費用を別途請求するか、製品単価へ織り込んでおく必要が出てきます。

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