HS2012、HS2007、HS2002とは何か

2012年10月1日更新

HS2012、HS2007、HS2002は三つともHSコードのことで、下四桁の年度は、そのHSコードが使われることになった年度を示しています。HSコードは、貿易上、物品が何であるかを分類するための番号のリストです。ただ、特定の貿易物品を取り巻く環境、取引量の変化、環境などにより、部分的に改訂されることがあるため、HSコードにはいくつかのバージョンがあります。

こうした理由から、HSコードの確認の際には目的によってどのバージョンのHSコードを見るべきか検討する必要があります。

通常、日本での輸出入申告には2012年1月1日から、HS2012が使われています。これは、「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約」、通称「HS条約」を踏まえた最新版となります。前回のHS2007からの変更はごくわずかです。HS2012は5052種類の6ケタ番号の集合体で、分類すると、21部、97類、1220項、5052号となります。

古いバージョンのHSコードであるHS2007やHS2002を使うのは、FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)を締結している国との間の貿易で、特別に優遇された関税率を適用させたい場合です。

FTAは平たく言えば、二国間や多国間で関税をなくしたり、減らしたりして貿易を活発化させるためのものです。このため、協定を結んだ国が原産となっている品物に対しては、関税をなくしたり、段階的に減らしたりする取り決めを行っています。協定を結んでいる国以外からの物品と区別するため、こうした協定によって関税の優遇措置を受けたい場合は「特定原産地証明」によって品物の国籍を証明する必要があります。

より具体的に言えば、以下の国との間の協定時にはHS2002が使われていたため、現在も原産地証明をする際にはHS2002を使います。

  • ASEAN
  • インドネシア
  • シンガポール
  • タイ
  • フィリピン
  • マレーシア
  • ブルネイ
  • チリ
  • メキシコ

また、以下の4カ国との協定を適用させたい場合は、原産地証明にHS2007を使います。

  • ベトナム
  • スイス
  • インド
  • ペルー

上記の自由貿易協定などを活用する場合は、輸出入申告時はHS2012で申告を行うことになるため、品目によっては、原産地証明書のHSコードと番号が違うことがありますが、この差異自体は認められています。

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