フィリピンのHSコード

2013年10月30日更新

ASEAN加盟国10カ国の一つであるフィリピンのHSコードは、8ケタで構成されています。

フィリピン共和国の関税委員会の公式サイトで、通常の税率であるMFN税率(WTO加盟国183カ国の間で貿易で普通に適用されている関税率)や、各協定別に税率が調べられます。

最初の空欄部分のプルダウンメニューにあるアルファベットの意味は次の通りです。

フィリピンが締結しており、関税率が変わる主な貿易協定、経済連携協定
略称 正式名称 概要
MFN Most Favoured Nation 最恵国待遇を意味する。この場合、MFN税率であり、通常の関税率のこと。WTO加盟国183ヵ国からの輸入の場合、何もしなければこの税率が適用されるが、場合によっては原産地証明書が必要となる。【参考:非特恵の原産地証明書発給のための原産地規則
AANZFTA ASEAN-Australia-New Zealand Free Trade Area ASEAN諸国とオーストラリア、ニュージーランドが締結している自由貿易協定。これらの国々との貿易で関税の撤廃や減免をはかるためのもの。
ACFTA ASEAN-China Free Trade Area ASEAN諸国と中国との間で締結されている自由貿易協定。この場合はこの協定を用いた場合の、特別な税率を意味する。
AIFTA ASEAN-India Free Trade Area インドとアセアン諸国の間で締結されている自由貿易協定のこと。それに基づいた特恵関税率。
AJCEPA ASEAN-Japan Comprehensive Economic Partnership Agreement 日本とアセアン諸国の間で締結している経済連携協定。関税減免や撤廃をはかるためのもの。双方の国のいずれの貿易でも使える。
AKFTA ASEAN-Korea Free Trade Area 韓国とアセアン諸国との間の自由貿易協定。
ATIGA ASEAN Trade in Goods Agreement ASEAN諸国10カ国の間で結ばれている協定で、多くの品目で関税率をゼロもしくは低減している。
PJEPA Philippine-Japan Economic Partnership Agreement 日本とフィリピンの間で締結している経済連携協定。

いずれも、MFN以外は個別の協定を利用する為には、輸出側から特定原産地証明書を発給してもらい、それを輸入申告時に用いることで関税の減免を受けることが出来るという仕組みです。

これらを適用させる為のルールは、それぞれの協定によって異なりますが、これを用いることで関税面において大きく優遇される為、製品の輸入時にかかる総コストを下げることが出来ます。いずれの協定も、輸入時にはどれか一つしか使えませんが、フィリピン-日本、ASEANー日本など、フィリピンへの輸入時にはどちらの協定も使えるケースもあります。この場合は、どちらでも条件のよいほうを選ぶことが出来ます。

なお、フィリピンでは2004年より、ASEAN共通のHSコードであるAHTNコード(ASEAN Harmonized Tariff Nomenclature)をASEAN域内だけでなく、域外の国との貿易に使っているため、上記サイトから調べられるHSコードもAHTNコードとなります。

現行の最新HSコードは以下のAHTN 2012となり、これもHSコードと同様、定期的に改訂されています(発効時期は、HS2012と同時期)。

フィリピンのHSコードは正式には、Tariff and Customs Code of the Philippines (TCCP)と称されますが、これがAHTNと同一のものであることが関税委員会の公式サイトにて述べられています。

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