焼入れ硬度を炭素量から計算する

2013年1月2日更新

ほとんどの鋼は焼入れ等の熱処理を行ってから使われます。これにより、表面の硬さを高めるとともに、焼き戻すことで硬くなるとともに性質が脆くならないように調整を行います。

この焼入れによって高めることができる「硬度」には、鋼にもともと含まれている炭素量が非常に大きく影響します。鋼には合金元素といって、炭素以外にも様々な元素を添加して、鋼が本来持っていない性質を付加することもありますが、こうした元素は焼入れが完全に入るのであれば硬さ向上にはあまり影響しません。ただし、焼入れのしやすさには影響してきます。

焼入れ硬度(最高硬さ)
HRC = 30 + 50 x 炭素量(%)

焼入れ硬度(臨界硬さ、ハーフマルテン硬さ)
HRC = 24 + 40 x 炭素量(%)

焼入れの臨界硬さとは、焼入れが成功しているかどうかを判断する限界の硬さです。つまり、焼入れをして、この硬度以上であれば最低限、焼きが入ったと判断できます。逆に、この硬度に満たない場合は、焼きが入っていないということになります。

スポンサーリンク

>このページ「焼入れ硬度を炭素量から計算する」の先頭へ

このサイトについて

当サイトの記事はすべて工業製品のメーカーの実務経験者が執筆しています。

砥石メーカーの製品や技術を紹介するサイトとしてはじまりましたが、加工技術・工具・研削・研磨に関わる情報から派生し、ユーザーの問い合わせに応じて鉄鋼、非鉄、貴金属、セラミックス、プラスチック、ゴム、繊維、木材、石材等製造に使用する材料・ワークの基礎知識についても掲載するようになりました。その後、技術情報に限らず、製造業で各分野の職種・仕事を進めるうえで役立つノウハウも提供しています。

製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、経理、購買調達、資材、生産管理、在庫管理、物流など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

工業情報リンク集

工業分野のメーカーや商社を中心に、技術、規格、ものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業製品の生産に必要とされる加工技術や材料に関する知識、マーケティングから製品企画、開発、販売戦略、輸出入、物流、コスト低減、原価管理等、事業運営に必要な知識には共通項があります。

研磨、研削、砥石リンク集